【結論】
月が終わってから集計を始めるので、先月がどうだったか分かるのは今月の半ばになります。その時点で、先月に打てる手は1つも残っていません。遅れているのは集計の速さではなく、売上・仕入・人件費がそろうのを待っている時間のほうです。TEAL BIはこの3つを夜間に自動で集め、前日ぶんを翌朝そろえます。予算をご登録いただければ、月の途中で当月がどこに着くかが見えます。
【この記事でわかること】
・「月末を待たないと数字が出ない」の原因が、集計の速さではないこと
・売上だけを毎日見ていても、その日の良し悪しが判断できない理由
・当月の着地が月の途中で見えると、何が変わるのか
・経理の締めを早める話ではない、という線引き
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧
先月がどうだったか、いま言えますか
数字が届くころには、打てる手が残っていない
月次の確定を待ってから集計
- 売上・仕入・人件費がそろうまで待つ
- 前月の結果が分かるころには、当月も進んでいる
- 会議は終わった月の答え合わせになる
前日までの実績で、月中に判断
- 売上・仕入・人件費を同じ日付で並べる
- 予算との差と当月の着地見込みを見る
- 営業日が残っているうちに手を打つ
変わるのは、数字の正確さよりも、数字が手元に来る時刻です。
多店舗の飲食企業で、前月の数字が出てくるのはいつごろでしょうか。月が終わってから集計を始めて、各店から資料が届くのを待って、数字が整うのが今月の半ば——という進み方をよく伺います。
この場合、先月の結果を知るのは、先月が終わってから2週間後です。その時点で、先月に対して打てる手は1つも残っていません。終わった月の答え合わせをしているだけになります。
そしてもう1つ、見落とされやすいことがあります。その2週間のあいだに、今月も半分終わっています。先月の反省をもとに今月の手を打とうとしたときには、今月も残り半分しかありません。この構造が毎月繰り返されると、打ち手はつねに1か月半遅れて出ていくことになります。
遅いのは集計ではなく、そろうのを待っている時間です
「月末を待たないと数字が出ない」と言うとき、多くの場合、集計の作業そのものが2週間かかっているわけではありません。待っている時間のほうが長いのが実情です。
売上は、レジに毎日出ています。人件費のもとになる打刻も、毎日出ています。仕入も、納品のたびに発生しています。データそのものは、月末を待つまでもなく毎日そろっているはずのものです。
それでも月次まで待つことになるのは、この3つが別々のシステムに、別々の締めのタイミングで置かれているからです。POSレジは店舗ごと、勤怠は月締め、仕入は請求の単位。1つでも遅れると、全部が待たされます。
「まず月次で締めて、それから数字を作る」という順番は、人が手で集めることを前提にした時代の名残だと考えています。手で集めるなら、回数は少ないほうが合理的です。毎日集めるのが手間でなくなれば、締めを待つ理由はなくなります。
売上だけを毎日見ても、その日が良かったかは分かりません
売上速報を毎日ご覧になっている企業は多くあります。ここは既に日次になっている、という会社は珍しくありません。ただ、売上が高い日が、良かった日とは限りません。
同じ日商でも、人をいつもより多く入れていた日かもしれません。原価のかかるメニューがよく出た日かもしれません。売上は「どれだけ売れたか」しか答えていないので、それ単独では良し悪しの判断材料になりません。
判断に必要なのは、売上・仕入・人件費が同じ日付でそろっている状態です。3つが同じ日に並んで初めて、その日が良かったのか、売れたけれど残らなかったのかが分かります。逆に言えば、1つでも月次でしか出てこないものがあると、ほかの2つがどれだけ速くても、判断は月次のままです。
速報が日次になっているのに手応えが変わらない、という場合、原因はここにあることが多いと感じています(売上速報のエクセル作成をやめる)。
月の途中で、今月がどこに着くかが見えます
着地見込みの価値は、早く気づけること
月の途中で差を見る
- 日次の予実を同じ画面に表示
- 当月の着地見込みを自動で更新
店・曜日・時間帯まで絞る
- 全社合計だけで終わらない
- どこが外れ始めたかを特定
動かせるうちに手を打つ
- 販促を動かす
- シフトや仕入を見直す
見込みを当てることより、ずれに気づくのが翌月になることを避けます。
売上・仕入・人件費が毎日そろうと、もう1つ変わることがあります。今月がこのままいくとどこに着くのかが、月の途中で見えるようになります。
予算値をご登録いただいておけば、日次の予実と当月の着地見込みが自動で表示されます。月の10日の時点で「このままだと予算に届かない」が分かるということです。
大事なのは精度そのものよりも、まだ営業日が残っているうちに分かることのほうだと考えています。残り20日あれば、販促を動かす、シフトを組み直す、仕入の量を調整する——といった手が実際に打てます。月次で確定してから同じことに気づいても、対象の月はもう終わっています。
店舗別・曜日別・時間帯別まで日次で見られるので、ずれている店とずれている曜日を特定してから手を打てます(売上を時間帯別に見る)。
経理の締めを早める話ではありません
ここは誤解が生まれやすいので、先に線を引かせてください。TEAL BIは、経理が作る確定値を早く出すためのものではありません。月次の確定値は、これまでどおり経理の手順で作っていただくものです。
会計ソフトとのデータ連携も行っていません。TEAL BIが扱うのは、POSレジ・勤怠・仕入の各システムから毎日集まってくる実績データです。経理の締め作業に手が入ることはありません。
原価についても同じで、実際に計上された仕入から算出しています。レシピから1品ずつ積み上げ直す方式は、いまの原価計算には使っていません(レシピを預けておけば、そのときの仕入価格で商品ごとの原価が書き換わる連携には、別途取り組んでいます)。ですので、この記事でお伝えしているのは「経営判断に使う数字を、月末を待たずに持てます」ということであって、経理の数字を置き換える話ではありません。レシピ側の取り組みはレシピ・仕入・販売を1本の線でつなぐにまとめています。
2つの数字が並んだときに、どちらが正しいのかで議論にならないよう、ずれの読み方はこちらにまとめています(管理会計と財務会計の数字が合わない)。
数字が届くのは、翌日の朝です
前日ぶんを翌朝の判断材料にする
店舗はいつも通り営業
レジを締めれば、追加の報告作業はありません
実績データを自動で取得
売上・仕入・人件費を本部側で集めます
前日ぶんを同じ日付で表示
当月の着地見込みも新しい実績で引き直します
締め忘れなどで日付がずれた場合も、本部側で本来の営業日にそろえます。
日中に動く途中経過を混ぜず、全員が前日までの同じ数字を見ます。
取得は夜間に自動で行われます。当月の着地見込みは、前日ぶんが入るたびに引き直されます。「いま何日まで反映されているのか」を確かめる作業は要りません。
「前日ぶん」に統一しているのは、見込みの土台が日中に動かないようにするためです。当日の途中経過を混ぜると、見た時刻によって着地の数字が変わります。月中の判断に使う数字は、動かないほうが役に立ちます。
レジの締め忘れや開局し忘れがあった日も、本部側で本来の営業日に振り分けます。店舗に電話して直してもらう工程が要りません。
月の途中で、何が見えている状態になるのか
別々の実績を、同じ日付で並べる
- 売上・客数・客単価
- 仕入・人件費
- 予算差・当月の着地見込み
どれかひとつが月次のままなら、ほかが日次でも判断は月次のままです。
売上・仕入・人件費が、同じ日付で並ぶ
前日ぶんの売上・客数・客単価が、店舗別に並びます。勤怠システムを合わせて連携いただければ、同じ画面に労働時間が乗ります。仕入も同じ日付で並ぶので、3つを別々のファイルで突き合わせる工程がなくなります。メーカーの違うPOSレジが混ざっていても、同じ基準で並びます。
当月の着地見込みが、予算と並ぶ
売上・仕入・人件費の予算値をご登録いただいておけば、日次の予実と当月の着地見込みが自動で表示されます。月次を締めてから予算と突き合わせるのではなく、月の途中で差を見る形になります。前年・2年前との対比も同じ画面です。
担当の4〜5店だけが並ぶ
見せる範囲は役職に応じて分けられます。店長には自分の店だけ、エリアマネージャーには担当する4〜5店だけを表示できます。月の途中で手を打つのは現場に近い人なので、その人が自分の担当ぶんだけを毎日見られる形にしておくほうが動きます。見せ分けによって料金が変わることはありません。
実際に本番稼働している連携先
着地見込みは、毎日データが入っていることが前提の機能です。ですので連携先も、いま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは分けて出します。
| 区分 | 連携先 | 状況 |
|---|---|---|
| POSレジ | 東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+) | 本番稼働中 |
| ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー) | 本番稼働中 | |
| ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー | 接続対応中 | |
| 仕入 | インフォマート | 本番稼働中 |
| メニューPlus(レシピ) | 接続対応中 | |
| 勤怠・人事 | ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR | 本番稼働中 |
| 予約・口コミ | Googleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram ※Instagramは一部の企業様で稼働中です | 本番稼働中 |
| 外部データ | 気象データ(全国・時間帯別) | 本番稼働中 |
| 上記以外 | ネットワーク未接続の店舗を含む | CSVアップロードで統合対象に含められます |
どれくらい作業が減るのか
直営12店舗での実測値
数字を作る時間を、数字を読んで手を打つ時間へ移します。
直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部のエクセル作業が1か月で106時間・金額にして20万円ぶん減りました。翌月の半ばまで集計にかかっていた時間が、その月のうちに手を打つ側へ移った形です。
ただ、このテーマでお伝えしたいのは削減時間そのものではありません。変わるのは、数字が手元に来る時刻のほうです。前月の結果を知るのが翌月の半ばだったところから、前日ぶんが翌朝そろう形になります。
同じ「先月は人件費率が上がった」という事実でも、翌月の半ばに知るのと、その月の10日に気配が見えているのとでは、打てる手の数が違います。削減された106時間は、その打ち手を考える側に回せる時間でもあります。
よくある誤解
月中の判断を止めるよくある誤解
月次できちんと締まっていれば、日々の数字は要らない
月次は結果の確認。月中の数字は、対象の月に手を打つために使います
売上速報を毎日見ているので、もう日次になっている
売上だけでは残ったかは分かりません。仕入と人件費も同じ日付でそろえて判断します
見込みは外れるので、経営判断には使えない
目的は未来を言い当てることではなく、予算から外れ始めた時点で気づくことです
「月次できちんと締まっているので、日々の数字までは必要ありません」
月次の確定値は必要です。そこを減らす話ではありません。ただ、確定値でできるのは結果の確認だけで、その月に手を打つことはできません。
手を打てるのは、その月がまだ終わっていないあいだだけです。日々の数字が要るかどうかは「細かく見たいか」ではなく、打ち手を出すタイミングをどこに置くかで決まると考えています。
「売上速報は毎日見ているので、もう日次になっています」
売上だけが日次になっている状態です。この場合、「売れたかどうか」は毎日分かりますが、「残ったかどうか」は月次のままです。
売上が伸びている月に人件費と仕入も同じだけ伸びていた、というのは実際によくあります。3つが同じ日付で並んで初めて、伸びた売上が残ったのかどうかが分かります。
「見込みの数字は当たらないので、経営判断には使えません」
着地見込みは、当てるためのものというよりずれに早く気づくためのものだと考えています。予算どおりに進んでいるかを毎日見ておくと、外れ始めた時点で分かります。
見込みが外れること自体は避けられません。避けられるのは、外れていたと気づくのが翌月の半ばになることのほうです。そちらのほうが高くつきます。
料金と、導入までの流れ
TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた見せ分けや日次の予実も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。
導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。
画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。
よくあるご質問
Q. 月次の締めが早くなる、ということですか?
いいえ。経理が作る月次の確定値を早く出すためのものではなく、会計ソフトとのデータ連携も行っていません。TEAL BIが扱うのは、POSレジ・勤怠・仕入の各システムから毎日集まってくる実績データです。経営判断に使う数字を、月次を待たずに持てるようにするものとお考えください。
Q. 原価はどうやって出しているのですか?
実際に計上された仕入から算出しています。レシピから1品ずつ積み上げ直す方式は、いまの原価計算には使っていません(レシピを預けておけば、そのときの仕入価格で商品ごとの原価が書き換わる連携には、別途取り組んでいます)。仕入システムと連携いただくと日次で反映され、連携がない場合は取り込める形でご相談させてください。
Q. 当月の着地見込みは、どのように表示されますか?
売上・仕入・人件費の予算値をご登録いただくと、日次の予実と当月の着地見込みが自動で表示されます。店舗別に見られるので、どの店がずれているかまで特定できます。表示のために集計を実行する操作はありません。
Q. 当日の数字はその日のうちに見られますか?
前日ぶんで統一しています。当日の途中経過は店舗の締め処理が済んでいないぶん時間帯によって数字が動くため、本部・エリアマネージャー・店長が別々の時刻に見て別々の数字を持ち帰らないよう、全員が同じ確定値を見る形に揃えています。
Q. 月中の数字を出すために、店舗に何かしてもらう必要はありますか?
ありません。取得は夜間に自動で行われるので、月の途中で店舗に締めや報告をお願いすることはありません。ネットワークにつながっていない店舗だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。
Q. いま使っている売上速報やエクセルは、やめないといけませんか?
やめる必要はありません。並行して動かし、両方の数字が一致することを確認してから切り替えていただけます。エクセル自体を捨てる必要もありません。
Q. 稼働までどれくらいかかりますか?
すでに接続実績のあるPOSレジ・勤怠システムであれば、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合は、メーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。着地見込みは、データが入り始めたその月から出ます。いずれの場合も連携のための費用はいただきません。
TEAL BIについて
TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。
いま何店舗でどのPOSをお使いか、勤怠システムは何をお使いか。この2つをお聞かせいただければ、稼働開始までの流れと期間の目安をお返しします。先月の数字がいま何日ごろ出ているかも、あわせて教えてください。
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売上を時間帯別に見る:1日の合計では人の配置は決まらない
その数字、店長会議で使えますか:POS混在のままで毎日確定する本部集計
執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。




