焼肉店の原価率が店舗でばらつく|商品別の売れ方から原因を見る

焼肉業態で同じ日商でも原価率が変わることを示す図。単品中心の月とコース中心の月で売れ方の構成が違う。

【結論】
焼肉業態では、同じ日商でも店によって残る利益が変わります。部位やグレードで原価率が大きく違うため、売れ方の構成が変わるだけで原価率が動くからです。店舗別の原価率だけを並べても、それが仕入の問題なのか売れ方の問題なのかは分かりません。TEAL BIは全店の売上・客数・人件費・仕入を夜間に自動で集め、前日ぶんを翌朝そろえます。店舗別・日次の確定原価率と、商品ごとの売れ方を同じ画面で追えるようになります。

【この記事でわかること】
・焼肉業態で原価率が店舗ごとにばらつく、いちばん多い原因
・「原価率が高い店」を指摘しても下がらない理由
・確定原価率(実際の仕入から出る実績値)と、商品ごとの売れ方を突き合わせる見方
・商品ごとの原価を積み上げなくても、ばらつきの原因を切り分けられる理由
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

同じ日商でも、残る利益は店によって違います

同じ売上でも、残り方は同じではない

いまの状態

原価率の高低だけを横に並べる

  • 高い店は分かる
  • 仕入・ロス・売れ方のどれが原因かは分からない
  • 会議は店への指摘で止まる
TEAL BI

実際の仕入と売れ方を並べる

  • 店舗別・日次の確定原価率を見る
  • 同じ期間の商品ごとの売れ方を見る
  • 構成の変化か、仕入やロスかを切り分ける

焼肉は、部位やグレードの売れ方が変わるだけでも全体の原価率が動きます。

図1:原価率だけを比較する会議と、実際の仕入と商品ごとの売れ方から原因を切り分ける会議の違い。

月次を締めたあとに店舗を横に並べると、日商がほとんど同じなのに原価率が数ポイント違う、という並びになることがあります。焼肉業態では、この差が他の業態よりはっきり出ます。

理由は単純で、扱っている商品の原価率の幅が広いからです。同じ「肉」でも、部位とグレードによって原価率はまったく違います。ドリンク・ごはんもの・デザートまで含めれば、幅はさらに広がります。フルサービスの居酒屋にも幅はありますが、1品あたりの単価が焼肉ほど大きくないので、構成が少し動いた程度では全体の原価率まで届きません。

焼肉では届きます。売れ方の構成が変わるだけで、仕入のやり方を1つも変えていなくても原価率が動きます。コースの比率が上がった月、単品の高原価メニューが伸びた月、宴会が多かった月。どれも「店がうまくやったか」とは無関係に、原価率を押し上げたり押し下げたりします。

「原価率が高い店」を指摘しても、下がりません

店舗別の原価率一覧だけを持って会議に出ると、話はどうしても「A店が高い」で止まります。指摘された店長も、返せる材料を持っていません。高いことは分かっている。なぜ高いのかが分からないという状態です。

原価率が上がる筋道は、大きく分けて3つあります。仕入の値段が上がった。ロスや歩留まりが悪化した。そして、売れ方の構成が変わった。3つ目は店舗の管理の話ではありませんが、数字の上では他の2つとまったく同じ形で現れます。区別する材料がなければ、どれも「A店の原価率が高い」という1行になります。

この区別は、月次の集計表からは作れません。必要なのは、同じ期間の「実際の仕入」と「何がどれだけ出たか」を並べて見ることです。どちらも本来はデータとして存在しているのに、別々の場所に別々の形で置かれているので、突き合わせるのに手作業が要る。それで誰も突き合わせないまま、毎月が過ぎていきます。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。

1品ずつ原価を積み上げなくても、原因は分かります

原因を切り分けるのは、二つの実績

実際の仕入

店舗別・日次の確定原価率

  • 計上された仕入から算出
  • 値上がり・ロス・歩留まりも結果に含む
商品の動き

商品ごとの売れ方

  • どの商品が、どの店で、いつ出たか
  • 期間や店舗を変えて見直せる

売れ方が動かず原価率だけが上がれば、仕入かロス。高原価の商品が伸びたなら、売れ方の結果として読みます。

図2:店舗別・日次の確定原価率と、商品ごとの売れ方を同じ期間で並べて原因を切り分ける見方。

ここは誤解のないように、できることとできないことをはっきり書きます。

TEAL BIにも、商品ごとの原価は入っています。POSレジに登録されている商品ごとの原価をそのまま取り込んで、商品別の理論原価として出しています。ただしレシピを登録して1皿あたりの原価を積み上げ直す、という作り方はしていません。POSレジ側の原価は、一度入れたあと更新し続けるのが難しく、新しいメニューや店舗限定のメニューでは空のまま残っていることもあります。原価率のばらつきの原因を追うときに、そこだけを見るわけにいかないのはそのためです。

原因の切り分けに使うのは、次の2つです。

  • 店舗別・日次の確定原価率——実際に計上された仕入から出る実績値です。ロスも歩留まりも値上がりも、起きたことがそのまま入っています
  • 商品ごとの売れ方——どの商品が、どの店で、いつ、どれだけ出たか。1件ずつの明細を持っているので、期間や店舗を変えて見直せます

この2つを同じ期間で並べると、さきほどの3つの筋道が分けられます。売れ方の構成がほとんど動いていないのに原価率だけが上がっていれば、それは仕入かロスの話です。逆に高原価の商品が伸びた月であれば、原価率の上昇はむしろ売上の作り方の結果であって、止めるべきものとは限りません。

1品ごとの原価を積み上げる方式そのものが悪いわけではありません。難しいのは、レシピの登録と更新を店舗と本部でやり続けなければならないことで、人手が限られている状況では、どこかで止まります。止まった瞬間に、その数字は実態から静かに離れていきます。実際の仕入から出る確定原価率には、その心配がありません。

そのうえで、レシピを人手で維持し続けなくてよくする方向にも取り組んでいます。レシピを預けておけば、そのときの仕入価格で商品ごとの原価が自動的に書き換わる、という連携です。レシピ・仕入・販売を1本の線でつなぐ取り組みで、いま実現しているところと、これから実現するところを分けて書いています。

数字が届くのは、翌日の朝です

原価率と売れ方を翌朝から追う

閉店まで

店舗はいつも通り営業

レジを締めれば、集計のための操作はありません

夜間

全店の実績を自動で取得

売上の明細と、計上された仕入を集めます

翌朝

店舗別・日次で表示

確定原価率と商品ごとの売れ方を同じ期間で追えます

営業日の基準をそろえるため、店舗ごとの締め方で日付がずれません。

月末を待たず、当月の途中でも売れ方の構成変化を確認できます。

図3:閉店後に全店の売上明細と仕入実績を自動取得し、翌朝から同じ期間で確認できる流れ。

売上の明細と仕入の実績は、同じ夜にまとめて取り込まれます。翌朝には前日ぶんが同じ期間の上に並んでいるので、原価率が動いた日を見つけたその場で、その日に何が売れていたかを確かめられます。担当者が集計をかける操作はありません。

売上は日次で並びますので、月末を待たずに当月の途中でも構成の変化を確認できます。仕入は計上のタイミングに従いますが、こちらも締めを待たずに積み上がっていく形で見えます。

締め忘れや開局し忘れがあった日も、営業日の考え方を全店でそろえたうえで集計します。原価率は売上と仕入を同じ日付の上に置いて初めて意味を持つ数字なので、片方だけ日がずれると、店の実態とは関係なく跳ねます。そこがずれない状態にしてあります。

確定原価率を、誰がどこまで見るか

本部には全店の一覧が並びます。売上・客数・客単価・人件費・確定原価率が、店舗別・日次で同じ基準で並びます。

エリアマネージャーには、担当する4〜5店だけを表示できます。店長には自分の店だけ。見せ分けによって料金が変わることはありません。全員が全店の数字を見る運用にする必要はなく、役割ごとに見える範囲を決められます。

業態が複数ある企業でも、同じ表の中に並びます。焼肉と、それ以外の業態が混ざっていても、項目の持ち方を本部側で1つに決めたうえで集計するためです。業態ごとに分けて見ることもできます。

実際の画面はサービス紹介資料(全10ページ)に掲載しています。

実際に本番稼働している連携先

確定原価率を出すには、POSレジだけでなく仕入の側もつながっている必要があります。どちらがどこまで動いているのかを判断していただけるよう、稼働状況をそのまま公開します。「本番稼働中」は、いま毎日データが流れている連携先です。

区分連携先状況
POSレジ東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+)本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー)本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー接続対応中
仕入インフォマート本番稼働中
メニューPlus(レシピ)接続対応中
勤怠・人事ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR本番稼働中
予約・口コミGoogleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ気象データ(全国・時間帯別)本番稼働中
上記以外ネットワーク未接続の店舗を含むCSVアップロードで統合対象に含められます

仕入のデータは、インフォマート経由のものが本番稼働しています。それ以外の経路で仕入れている場合や、ネットワークにつながっていない店舗も、CSVのアップロードで同じ表に含められます。

どれくらい作業が減るのか

直営12店舗での実測値

106時間削減した集計作業
20万円人件費換算
12店舗実測した直営店

数字を作る時間を、原価率が動いた理由を調べる時間へ移します。

図4:原価率を店舗別に並べるまでにかかっていた、月あたりの集計作業の削減量。

TEAL BIを導入いただいた直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部で行われていたエクセル作業を削減した結果、1か月で106時間分の作業時間、金額にして20万円の人件費削減になりました。12店舗でこの数字です。担当者1人分の月間労働時間の、およそ3分の2にあたります。

ただ、効くのは時間そのものよりも中身のほうです。数字を作る側に使われていた時間が、数字を読んで手を打つ側に回ります。原価率が動いた理由を調べる仕事には締切がないので、人が足りない会社ほど真っ先に消えています。ここが戻るかどうかが、実際の効き方を決めます。

よくある誤解

原価率の原因を見えなくするよくある誤解

原価管理は、商品ごとの原価を積み上げる専用システムで行うもの

まずは実際の仕入による確定原価率と売れ方を並べれば、原因を話せます

POSで商品別売上を見られるので足りている

店舗を横に並べる部分と、メーカー差をそろえる部分が本部の手作業として残ります

原価率は経理が月次で出すので、日次では要らない

月次は確定値、日次は月の途中で構成変化に気づいて手を打つための数字です

図5:焼肉店の原価率を見るときに起きやすい誤解と、その答え。

「原価管理は専用のシステムでやるものではないですか」

レシピを1つずつ登録して1皿あたりの原価を組み立てる作業そのものは、専用のシステムの仕事です。TEAL BIはそこを自前では担っていません。

お伝えしたいのは、多くの企業でまず必要になるのは、そこまで精緻な仕組みではないということです。店舗別・日次の確定原価率と、何がどれだけ出たかが同じ画面で追えるだけで、会議で「なぜ動いたか」を話せるようになります。積み上げ方式は、その先で必要になったときに、レシピを預けられる仕組みと合わせて検討されるほうが、順序として無理がありません。

「うちはPOSで商品別の売上を見られているので足りています」

店舗が1つで、仕入の経路も1本なら、そのとおりだと思います。

問題が出るのは、店舗を横に並べたときです。POSの画面は基本的に1店舗ずつで、全店ぶんを同じ形にそろえるところは本部の手作業として残ります。メーカーが混ざっていればなおさらです。また、POS側の保存期間を過ぎると明細が消えるため、後から期間を変えて見直せなくなります。

「原価率は経理が月次で出しているので、日次では要りません」

月次の確定値は経理の数字として必要です。それを置き換えるものではありません。

違うのは使い道です。月次で出た数字が手元に来るのは翌月で、その時点で当月に打てる手はもう残っていません。日次で持っていれば、月の途中で構成の変化に気づけます。経理の数字を作り替える話ではなく、経営判断のほうに使う数字を別に持つ、という話です。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた見せ分けや日次の予実も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

いま作っている月次の集計は、止めずにそのまま続けてください。並行して動かし、原価率が同じ値になることを確かめてから切り替えていただけます。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. 商品ごとの原価率は出ますか?

POSレジに商品ごとの原価が登録されていれば、それを取り込んだ商品別の理論原価が出ます。ただしレシピから1皿あたりの原価を積み上げ直してはいないので、原価率のばらつきの原因を追うときは、実際に計上された仕入から出る店舗別・日次の確定原価率と、商品ごとにどれだけ出たかという売れ方の2つを、同じ期間で並べていただく形になります。

Q. 仕入のデータはどこから取りますか?

インフォマート経由の仕入が本番稼働しています。それ以外の経路で仕入れている場合や、ネットワークにつながっていない店舗は、CSVのアップロードで同じ表に含められます。

Q. 焼肉以外の業態も運営しています。同じ表で比較できますか?

できます。業態ごとに異なる項目の持ち方を吸収したうえで集計するため、同じ基準で並べられます。業態ごとに分けて見ることもできます。

Q. POSレジは何を使っていても大丈夫ですか?

メーカーが混ざっていても同じ表になります。すでに接続実績のあるものであれば新規の開発は不要です。掲載のないものが混ざっている場合は、メーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行い、その費用もいただいていません。

Q. 店舗に、仕入を入力してもらう必要はありますか?

ありません。仕入はインフォマート経由で計上されたものを夜間に取り込みます。売上も同じく自動で、店舗に入力や送信をお願いすることはありません。ネットワークにつながっていない店舗だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。

Q. いまの原価管理のやり方を変える必要がありますか?

変える必要はありません。並行して動かし、両方の数字が一致することを確認してから切り替えていただけます。経理で作っている月次の数字を置き換えるものでもありません。

Q. 稼働までどれくらいかかりますか?

接続実績のあるPOSレジ・勤怠システムでそろっていれば、約1週間で稼働を開始できます。仕入がインフォマート経由であれば、そちらも同じ扱いです。一覧にないものが混ざっている場合は、メーカー様と打ち合わせたうえで新規に連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。どちらの場合も、連携のための費用はいただきません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗で、どのPOSレジをお使いか。仕入をどこから入れておられるか。この2つをお聞かせいただければ、店舗別の確定原価率が並ぶまでの流れと、期間の目安をお伝えします。

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執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。