人手不足で本部に人を割けない|集計に人を置かずに全店をそろえる

本部の限られた人をどこに置くかの対比図。集計に人を置く場合と、夜間の自動集計で人を現場に回す場合。

【結論】
人手不足は採用の話として語られますが、日々の実務では配置の話として現れます。1人を本部に置けば、その1人は現場にいません。そして人が減ったとき、本部で最初に落ちるのは集計ではなく、数字を読んで手を打つほうの仕事です。集計には締切があり、判断には締切がないからです。TEAL BIは全店の売上・客数・人件費・仕入を夜間に自動で集め、前日ぶんを翌朝そろえます。集計のために本部へ人を置く必要がなくなり、限られた人を現場に回せます。

【この記事でわかること】
・人手不足の本当の被害が、作業の遅れではなく「判断が消えること」だということ
・店舗に入力や報告を足す解決策が、いま成立しない理由
・本部の集計が、増員しても当日からは戦力にならない理由
・営業時間や定休日を「減らす」判断こそ、数字で選ぶ必要があること
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

限られた人を、どこに置くかという話です

限られた人を、集計より判断へ

いまの状態

集計を止めないために人を置く

  • 締切のある速報と月次が優先される
  • 原因を調べて手を打つ仕事が後回し
  • 本部へ置いた人を現場へ回せない
TEAL BI

集計が終わった状態から始める

  • 全店の前日ぶんが翌朝そろう
  • 店舗にも本部にも作業を足さない
  • 人を数字を読む仕事と現場へ回せる

必要なのは集計をこなす人手ではなく、集計が終わっている状態です。

図1:集計を止めないために人を置く状態から、集計済みの数字を使って判断と現場へ人を回せる状態へ変わります。

人が採れない、という話を毎週のように伺います。ただ、経営としてその日に決めているのは「採る/採らない」ではなく、いま社内にいる人を、どこに置くかのほうです。

1人を本部に置けば、その1人は現場にいません。逆に現場へ回せば、本部の仕事は残った人で分けることになります。人が足りている時期なら、この配分はあまり深刻な問題になりません。足りていないときだけ、1人をどちらに置くかが、そのまま店の売上に効きます。

この状況で、本部の集計担当を増やす判断は、実際にはかなり通しにくいものです。集計は売上を生まないからです。かといって減らせば数字が出てこなくなる。増やせないが減らせない、という位置に置かれたまま、毎日続いているのが本部の集計業務です。

人が減ると、締切のある仕事だけが残ります

人が減ると、締切の有無で仕事が分かれる

残る

締切がある仕事

  • 朝までに出す売上速報
  • 月次の集計
  • 会議を始めるための資料
先に消える

締切がない仕事

  • 落ちた店の原因を調べる
  • 打った手の効果を振り返る
  • 次に何を変えるか決める

作業は回っているように見えても、数字を読んで手を打つ仕事が会社から消えていきます。

図2:人が減ると締切のある速報と月次は残り、原因調査・振り返り・次の判断が先に消えます。

本部の仕事を並べると、性質が2つに分かれます。締切があるものと、ないものです。

売上速報には締切があります。朝までに出さないと会議が始まりません。月次の集計にも締切があります。一方、「先月なぜ人件費率が上がったのかを調べる」「落ちている店の原因を突き止める」「打った手が効いたかを振り返る」——このあたりに締切はありません。

人が1人抜けたとき、どちらが先に落ちるかは決まっています。締切のないほうです。しかも落ちたことに誰も気づきません。止まる作業がないので、外から見ると本部は問題なく回っているように見えます。

これが人手不足でいちばん高くつくところだと考えています。作業が遅れるのは目に見えるので手が打たれます。判断が消えるのは目に見えないので、何年でも続きます。

言い方を変えると、本部に要るのは「集計をこなす人手」ではなく「集計が終わった状態」です。そこから先の、数字を読んで手を打つ部分にだけ人を使えるなら、本部は少人数のままで成立します。

店舗に作業を足す解決策は、いま成立しません

本部の負担を軽くする方法として、いちばんよく出てくるのが「店舗側に入力してもらう」「所定のフォーマットで報告してもらう」という形です。本部の手は確かに減ります。

ただ、人手不足は本部より店舗のほうが深刻です。年中無休をやめる、深夜の営業時間を短くする、定休日を作る——そうした判断が現実に増えているのは、店に立つ人が足りていないからです。

その店に対して、入力や報告を新しく増やす施策は、始まった直後から遅れます。遅れた店に催促する仕事が本部に生まれるので、本部の手も結局は減りません(店長からの報告待ちをやめる)。

ですので、この課題の解き方は1つに絞られます。店舗にも本部にも作業を足さずに、数字がそろっている状態を作ることです。TEAL BIは、POSレジ・勤怠・仕入の各システムから夜間に自動でデータを取得します。店舗側で必要になる操作はありません。ネットワークにつながっていない店舗だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。

本部の集計は、増員しても当日からは戦力になりません

仮に1人採れたとして、その人がすぐ速報を作れるかというと、そうはなりません。多店舗の本部集計は、手順書ではなく担当者の頭の中に乗っていることがほとんどだからです。

POSのメーカーが混ざっていれば、値引きやサービス料の扱いが店によって違います。締め忘れがあった日は、正しい営業日に振り替えてから載せます。前年と予算は別のファイルから持ってきます。この一つひとつが、誰かが過去に決めた判断の積み重ねで、どこにも書かれていません。引き継ぎに時間がかかるのは、作業量ではなくこの部分です(売上速報のエクセル作成をやめる)。

つまり人手不足の本部にとって、増員はすぐには効かない打ち手です。効くのは、整える工程そのものを人から外すことのほうです。TEAL BIは1件ずつの取引データを受け取って、メーカーごとに違う集計の作法を本部側で吸収します。人が代わっても、翌朝そこに同じものが出ています。

「減らす」判断こそ、数字で選ぶ必要があります

人が足りない局面では、打ち手が「増やす」から「減らす」に変わります。営業時間を短くする。定休日を作る。年中無休をやめる。深夜の時間帯を閉める。どれも売上を落とすことが分かっていて選ぶ判断です。

だからこそ、どこを削るかで結果が大きく変わります。同じ「2時間の短縮」でも、客がほとんど入っていない2時間を閉めるのか、細くても続いている2時間を閉めるのかで、失う売上は別物です。そして、どの店のどの曜日のどの時間が薄いのかは、1日1行の日計では分かりません。

TEAL BIは全店の売上と客数を、店舗別・曜日別・時間帯別に、日次で見られる形にしています。勤怠システムを合わせて連携いただければ、同じ画面に労働時間が乗るので、薄い時間に人がどれだけ立っていたかまで一緒に見られます(売上を時間帯別に見る)。

削る判断を勘で行うと、外れたときに戻すきっかけがありません。数字で選んでおくと、戻すときも同じ物差しで判断できます。

数字が届くのは、翌日の朝です

人の出社を待たず、翌朝そろう

閉店まで

店舗はいつも通り営業

新しい入力や報告を店舗へ足しません

夜間

各システムから自動取得

売上・客数・人件費・仕入を前日の営業日にそろえます

翌朝

担当者が不在でも同じ表

全店の前日ぶんが、いつもの形で表示されています

誰が何時に見ても同じ前日確定値になるため、数字の食い違いを直す作業も増えません。

集計担当者が休んだ日も、異動したあとも、同じ数字が出ます。

図3:店舗に作業を増やさず夜間に自動取得し、担当者の出社を待たず翌朝には全店の前日ぶんがそろいます。

取得は夜間に自動で行われます。誰かが出社して集計を回す、という工程がありません。担当者が休んだ日も、その人が異動した翌週も、翌朝の表は同じように出ています。

「前日ぶん」に統一しているのは、誰が何時に見ても同じ数字になるようにするためです。当日の途中経過は締め処理が済んでいないぶん動くので、見た時刻の違う数字が社内に出回ります。人手の足りない本部ほど、その食い違いを直す仕事に時間を取られます。

レジの締め忘れや開局し忘れがあった日も、本部側で本来の営業日に振り分けます。店舗に電話して回るという仕事が、本部から消えます。人手の話に直結するのはここです。

人が減っても、出てくる数字は変わりません

全店が1枚に並ぶ

前日ぶんの売上・客数・客単価が、店舗別に並びます。前年・2年前との対比も同じ画面です。この表を作った人がいなくなっても、明日も同じ形で出ます。

担当の4〜5店だけが並ぶ

見せる範囲は役職に応じて分けられます。店長には自分の店だけ、エリアマネージャーには担当する4〜5店だけを表示できます。人が減っている本部ほど、全員に全店を配って各自に読ませる運用は続きません。見る人の担当範囲だけを出しておけば、読む時間そのものが短くなります。見せ分けによって料金が変わることはありません。

売上・人件費・仕入が、同じ日付で並ぶ

勤怠を合わせて連携すると、同じ画面に労働時間が乗ります。予算値を登録しておけば、日次の予実と当月の着地見込みが自動で出ます。エリア長やブロック長が会議のたびに資料を手作りする、という工程がなくなります。

実際に本番稼働している連携先

「対応しています」だけでは判断材料になりませんので、稼働の実態をそのまま出します。「本番稼働中」と書いてあるものは、いま毎日データが流れているものです。

区分連携先状況
POSレジ東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+)本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー)本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー接続対応中
仕入インフォマート本番稼働中
メニューPlus(レシピ)接続対応中
勤怠・人事ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR本番稼働中
予約・口コミGoogleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ気象データ(全国・時間帯別)本番稼働中
上記以外ネットワーク未接続の店舗を含むCSVアップロードで統合対象に含められます

どれくらい作業が減るのか

直営12店舗での実測値

106時間削減した集計作業
20万円人件費換算
12店舗実測した直営店の数

空いた時間を、落ちた店の原因を調べて手を打つ仕事へ戻せます。

図4:直営12店舗で実測した、本部と店舗の月あたりの集計作業の削減量です。

直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部のエクセル作業が1か月で106時間・金額にして20万円ぶん減りました。106時間は、担当者1人の月間労働時間のおよそ3分の2にあたります。人を1人採る前に、まずここが空きます。

注目していただきたいのは削減額そのものではなく、106時間が担当者1人分の月間労働時間のおよそ3分の2にあたるという点です。人が採れない状況では、この106時間は採用せずに空いた0.6人分と同じ意味を持ちます。

そして削減された106時間は、消えてなくなるわけではありません。数字に強い人が、数字を作る側から、数字を読んで手を打つ側に回れるということです。さきほどの「締切がないから真っ先に落ちる仕事」が、ここで戻ってきます。

よくある誤解

この節で扱うよくある誤解

本部の少人数でなんとか回っているので、いまは大丈夫です

速報の裏で、原因を調べて手を打つ仕事が消えていないかを確かめます

システムを入れると、それを運用する人がまた要りますよね

取得も集計も自動で、店舗側・本部側に実行操作はありません

人が足りないので、新しいことを始める余裕がありません

現在の集計と並行で確かめ、店舗の作業を増やさずに切り替えられます

図5:少人数で回る状態、運用担当、新しい取り組みの負担について、本文で扱う誤解と事実です。

「本部2人でなんとか回っているので、いまは大丈夫です」

回っているのは、締切のある作業のほうだと思います。速報も月次も出ている。そこは間違いなく回っています。

確認していただきたいのは、先月落ちた店の原因を、誰が、いつ調べたかです。調べる時間が今月どこにも入っていないなら、その仕事はもう会社から消えています。もう一つは、その2人のうち1人が1週間休んだときに何が起きるかです。

「システムを入れると、それを運用する人がまた要りますよね」

運用担当を置いていただく前提ではありません。データの取得は夜間に自動で行われ、店舗側の操作も、本部側で集計を実行する操作もありません。

本部でしていただくのは、はじめにいまの構成をお答えいただくことと、予算をご登録いただくことくらいです。あとは見る人が見るだけで、見る頻度も役割ごとで構いません。店長は毎日、エリアマネージャーは週に何度か、本部は会議の前に——という使い分けで運用されている企業が多いです。

「人が足りないので、新しいことを始める余裕がありません」

着手にあたってお聞きするのは、いま何店舗でどのPOSをお使いか、勤怠システムは何をお使いかの2点です。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済みます。

また、いま使っている速報やエクセルを止めていただく必要はありません。並行して動かし、両方の数字が一致することを確認してから切り替えていただけます。切り替えの日を決めて、その日に向けて社内を整える、という進め方をしなくて済みます。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた見せ分けや日次の予実も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. 本部に専任の担当者を置く必要がありますか?

必要ありません。データの取得は夜間に自動で行われ、翌朝には前日ぶんの全店の数字が表示された状態になっています。集計を実行したり、ファイルを配ったりする担当は不要です。

Q. 導入のときに、こちらで人を出す必要はありますか?

はじめに、いま何店舗でどのPOSレジと勤怠システムをお使いかをお聞かせいただきます。あとは予算値のご登録くらいで、店舗側で必要になる作業はありません。

Q. 集計を担当している人が退職・休職しても、数字は止まりませんか?

止まりません。メーカーごとに違う集計の作法は本部側のシステムで吸収しているため、特定の担当者の手順に依存しません。人が代わっても、翌朝に同じものが出ます。

Q. 店舗に作業をお願いすることになりますか?

ありません。取得は夜間に自動で行われます。ネットワークにつながっていない店舗だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。店舗の負担を増やさないことは、設計の前提にしています。

Q. 人数が少ないので、全員が全店を見る運用は無理です。分けられますか?

分けられます。店長には自分の店だけ、エリアマネージャーには担当する4〜5店だけを表示できます。見せ分けによって料金が変わることはありません。

Q. いまのエクセルは、やめることになりますか?

やめなくて構いません。並行して動かし、両方の数字が合うことを確かめてから切り替えられます。作った人しか中身の分からないファイルほど、いきなり捨てないほうが安全です。

Q. 稼働までどれくらいかかりますか?

すでに接続実績のあるPOSレジ・勤怠システムであれば、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合は、メーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。この期間、本部から人を出していただく必要はほとんどありません。いずれの場合も連携のための費用はいただきません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗でどのPOSをお使いか、勤怠システムは何をお使いか。この2つをお聞かせいただければ、稼働開始までの流れと期間の目安をお返しします。いま本部で何人が集計に関わっているかも、あわせて教えてください。

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店長からの報告待ちをやめる:本部と店舗が同じ数字を毎日見る
人件費を金額ではなく労働時間で管理する:シフトと実打刻の日次予実
売上を時間帯別に見る:1日の合計では人の配置は決まらない
その数字、店長会議で使えますか:POS混在のままで毎日確定する本部集計

執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。