税率8%と10%が混ざる売上集計|弁当・中食の多店舗をそろえる

持ち帰り8%と店内10%が混ざり税抜と税込の持ち方がばらばらな状態と、全店で1つに決めて集計した状態の対比図。

【結論】
弁当・中食・ケータリングを扱う企業では、同じ「売上」という言葉が、店によって別の数字を指していることがあります。持ち帰りは8%、店内は10%。税を抜いて持つ店と、込みのまま持つ店。どちらも店舗の運用としては間違っていないのに、本部で足すと比較が成立しなくなります。TEAL BIは全店の売上・客数・人件費・仕入を夜間に自動で集め、税の持ち方を全店で1つに決めたうえで、前日ぶんを翌朝そろえます。

【この記事でわかること】
・「売上が高い店」が、実は税込で持っているだけだった、という取り違えの起き方
・8%と10%が混ざると、店舗間の比較と前年比較の両方がずれる理由
・税の持ち方がPOSレジのメーカーによって違うこと
・中食で「客数」を店内と同じ意味で読むと、判断を誤ること
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

その「売上」は、税抜ですか、税込ですか

同じ売上でも、税の持ち方で順位が変わる

いまの状態

店舗ごとの売上をそのまま足す

  • 税込と税抜が混ざる
  • 持ち帰りと店内の構成差が乗る
  • 売上・原価率・客単価が比較できない
TEAL BI

全店で一つの基準にそろえる

  • POSレジごとの税の持ち方を確認
  • 本部で決めた基準へ変換
  • 店舗・前年・予算を同じものさしで比較

どちらの数字も単体では正しくても、税の持ち方が違えば横並びの判断は成立しません。

図1:税の持ち方が混ざった売上をそのまま比べる状態と、全店で一つの基準にそろえて比べる状態の対比。

全店の売上を並べたときに、様子のおかしい店が混ざっていることがあります。売上だけが高い。原価率だけが低い。客単価が業態の平均から外れている。

調べてみると、集計の誤りではないことがほとんどです。その店だけ、税の持ち方が違っていたというだけです。税込のまま上げている店と、税を抜いて上げている店が混ざっていれば、差は数パーセント出ます。順位が入れ替わるには十分な幅です。

そしてこれは、指摘されるまで誰も気づきません。どちらの数字も、それ単体では正しいからです。おかしいのは並べたときだけで、並べる人には元の持ち方が見えていません。

8%と10%が混ざると、比較そのものが成立しません

持ち帰りと店内で税率が違う業態では、この問題が一段ややこしくなります。同じ店の中で、税率の違う売上が混ざるからです。

税込のまま合計を持っていると、その合計は「持ち帰りの比率」によって動きます。持ち帰りが伸びた月は、実質的な売上が同じでも税込の合計は下がります。逆もあります。店の実力が変わっていないのに、数字だけが動くという状態です。

比較する相手が変わるたびに、このずれは形を変えて現れます。

  • 店舗どうしを比べるとき——持ち帰り比率が高い店ほど、税込の合計は相対的に低く出ます
  • 前年と比べるとき——チャネルの構成が変わっていれば、そのぶんがまるごと差として乗ります
  • 予算と比べるとき——予算を税抜で立てて実績を税込で見ていれば、達成率は最初からずれています

どれも「集計が間違っている」わけではありません。ものさしが揃っていないだけです。ただ、揃っていないことに気づかないまま会議で使われると、判断のほうが間違います。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。

税の持ち方は、POSレジのメーカーによっても違います

POSレジごとの違いを、同じものさしへ

内税で持つPOSレジ
外税で持つPOSレジ
税率を別に持つPOSレジ
メーカー別に解釈税の持ち方を全店で統一
TEAL BI
  • 店舗別の売上
  • 前年との比較
  • 予算との達成差

同じ項目名でも中身はメーカーによって違うため、各社の定義を確認してからそろえます。

図2:POSレジメーカーごとに異なる税の持ち方を解釈し、全店共通の基準で店舗・前年・予算を比較する構造。

店舗ごとの設定の話だけではありません。POSレジのメーカーが違えば、そもそも税をどう持つかの作りが違います。

金額の項目が税抜なのか税込なのかが、メーカーによって違います。税率の区分をどの値で表すかも違います。同じ「売上」という項目名でも、中身が同じとは限りません。したがって、1つの店の設定を確認して安心しても、別メーカーのPOSが入っている店では前提が変わります。

M&Aで増えた店、居抜きで引き継いだ店、業態に合わせて入れ替えた店。多店舗になるほどメーカーは混ざります。混ざったまま本部で足していくと、どこで何がずれたのかを後から追えなくなります。

TEAL BIは、メーカーごとに違う持ち方を本部側で吸収したうえで集計します。値引きを引く前後のどちらで見るか、サービス料や席料をどこに入れるか、税をどう持つか、深夜の売上をどちらの日に付けるか——この扱いを全店で1つに決めて集計します。店舗を横に並べて比較できる状態は、ここまでやって初めて成立します。

中食では、「客数」の意味が店内と変わります

同じ会計件数でも、客数の意味は違う

店内

来店の組に近い

  • 会計と来店のまとまりが対応しやすい
  • 人数を取れる運用か確認する
弁当・中食

個人購入とまとめ買いが混ざる

  • 会計件数だけでは人数が分からない
  • 客単価の意味が運用で変わる
法人・ケータリング

一会計の規模が大きくなる

  • 会計件数を客数として読まない
  • チャネルを分けるか会社で決める

何を客数とするかは、POSレジではなく店舗とチャネルの運用で決まります。

図3:店内・弁当や中食・法人やケータリングでは、同じ会計件数でも客数としての意味が異なることを示す。

もう1つ、業態をまたぐときに注意が要るのが客数です。

店内であれば、1回の会計はおおむね1組の来店に対応します。ところが弁当・中食では、1回の会計が1人ぶんのこともあれば、法人向けに20食まとめて出た1件のこともあります。ケータリングになれば、1件がさらに大きくなります。この3つを同じ「1」として数えると、客単価という指標が意味を失います。

ここは、システムの側で自動的に正解を出せる部分ではありません。会社として、何を1件と数えるのか、チャネルごとに分けて見るのかを決めていただく必要があります。TEAL BIは1件ずつの明細を持っているので、決めたあとで期間や切り口を変えて見直すことができます。決める前に集計してしまって、後から戻れなくなるということがありません。

持ち帰りや配達を店内と分けて見る話は、モバイルオーダーの売上を店内と分けて全店そろえるのほうで詳しく書いています。

数字が届くのは、翌日の朝です

税の基準をそろえて翌朝に表示

閉店まで

店舗はいつも通り営業

店頭・持ち帰り・配達の注文を通常どおり受けます

夜間

各経路の明細を自動で取得

POSレジごとの税の持ち方を共通基準へそろえます

翌朝

前日ぶんを全店同じ基準で表示

売上・客数・客単価・人件費を日次で並べます

営業日の基準もそろえるため、店舗ごとの締め方で日付がずれません。

担当者が毎回、税込か税抜かを確かめ直す工程はありません。

図4:閉店後に各経路の明細を自動取得し、税の持ち方をそろえて翌朝に全店を表示する流れ。

取得は夜間に自動で行われます。翌朝に並ぶ数字は、税の持ち方を全店で1つにそろえたあとのものです。どの店がどちらで持っていたかを確かめてから読む、という手順がなくなります。集計を実行する操作もありません。

締め忘れや開局し忘れがあった日も、営業日の考え方を全店でそろえたうえで集計します。店頭の営業と、持ち帰りや配達の受付で終了の時刻が違っていても、日付が店によってずれることはありません。

そろえたあとの数字が、誰にどう並ぶか

本部には全店の一覧が並びます。売上・客数・客単価・人件費が、店舗別・日次で同じ基準で並びます。税の持ち方は全店で1つに決めてありますので、そのまま横に比べられます。

エリアマネージャーには担当する4〜5店だけ、店長には自分の店だけを表示できます。見せる範囲を絞っても、並んでいる数字のものさしは全店で同じままです。見せ分けによって料金が変わることもありません。

製造の拠点と販売の店舗を分けて運営されている場合も、同じ表の中に並べられます。業態ごとに分けて見ることもできます。

実際の画面はサービス紹介資料(全10ページ)に掲載しています。

実際に本番稼働している連携先

店頭のレジと、持ち帰りや配達の注文が別々の仕組みに入っている場合、どこまで実際につながるのかが判断の分かれ目になります。稼働状況をそのまま公開します。「本番稼働中」は、いま毎日データが流れている連携先です。

区分連携先状況
POSレジ東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+)本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー)本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー接続対応中
仕入インフォマート本番稼働中
メニューPlus(レシピ)接続対応中
勤怠・人事ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR本番稼働中
予約・口コミGoogleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ気象データ(全国・時間帯別)本番稼働中
上記以外ネットワーク未接続の店舗を含むCSVアップロードで統合対象に含められます

店頭のPOSレジと、モバイルオーダーや配達の注文が別々の仕組みに入っている場合も、同じ表に並べられます。自動連携に対応していない経路は、CSVのアップロードで統合の対象に含めます。

どれくらい作業が減るのか

直営12店舗での実測値

106時間削減した集計作業
20万円人件費換算
12店舗実測した直営店

税の持ち方を毎回確かめる作業をなくし、同じ基準の数字を自動で集めます。

図5:税率の違う売上を同じ基準にそろえるまでの、月あたりの集計作業の削減量。

TEAL BIを導入いただいた直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部で行われていたエクセル作業を削減した結果、1か月で106時間、金額にして20万円の人件費に相当する時間が空きました。12店舗でこの数字です。1人の担当者の月間労働時間に置き換えると、およそ3分の2です。

税の持ち方がばらばらな状態では、この作業に「毎回どこがずれているかを確かめる」時間が乗ります。しかもその確認は、確認した人の頭の中にしか残りません。担当が代われば、また最初から確かめ直すことになります。持ち方を1つに決めて自動で集めるようにすると、この確認そのものが不要になります。

よくある誤解

税の違いを見落とすよくある誤解

税の扱いは経理が最後にそろえるので、問題ない

店長会議や日々の判断は経理の締め前。そこでも同じ税基準が必要です

POSレジの設定を直せば済む

メーカーの作りでそろえきれない部分があり、設定を直しても過去の実績は変わりません

持ち帰りの比率が低いので、影響は小さい

全社合計よりも店舗比較で影響が表れ、伸びている店ほどゆがんで見えることがあります

図6:税の扱いを店舗比較の前にそろえる必要性について起きやすい誤解と、その答え。

「税の扱いは経理が最後にそろえているので、問題ありません」

月次の確定値としては、そのとおりだと思います。経理の数字を置き換えるものではありません。

問題が出るのは、その手前です。店長会議や日々の判断で使っているのは、経理が締める前の数字です。そこで持ち方が揃っていないと、順位も達成率も違って見えます。そして経理が締めるころには、その月に打てる手は残っていません。

「POSの設定を直せば済む話ではないですか」

直せる部分は、直していただくのがいちばんです。TEAL BIも、POSレジに登録された値そのものをこちらの判断で書き換えることはしません。

ただし、税を税抜で持つか税込で持つかは、メーカーごとの作りに依存する部分があり、設定で揃えきれないことがあります。また、過去のデータは設定を直しても遡って直りません。集計する側で持ち方を1つに決めておくと、この2つを気にせずに済みます。

「持ち帰りの比率はそれほど高くないので、影響は小さいはずです」

全社の合計で見れば、そうかもしれません。

影響が出るのは、店舗どうしを比べたときと、伸びている店を見つけようとしたときです。持ち帰りが伸びている店ほどずれが大きくなるので、いちばん見つけたい店がいちばん歪んで見えます。全社の合計が合っていることは、店舗別の比較が成立していることの証明にはなりません。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた見せ分けや日次の予実も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

いま使っている集計を止めていただく必要はありません。並行して動かし、両方の数字が一致することを確認してから切り替えていただけます。むしろ導入の過程で、どの店の何がずれているのかが分かります。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. 売上は税抜と税込のどちらで表示されますか?

全店で1つの持ち方に決めたうえで集計します。どちらにするかは導入時に決めていただき、以後は全店・全期間で同じ基準になります。店舗やPOSレジのメーカーによって持ち方が違っていても、集計の段階で吸収します。

Q. 持ち帰りと店内を分けて見られますか?

分けて見ることも、合わせて見ることもできます。1件ずつの明細を持っているため、後から切り口を変えられます。

Q. 店舗によって税の設定がばらばらです。先に直す必要がありますか?

先に直していただく必要はありません。持ち方の違いは本部側で1つに決めて集計します。むしろ導入の過程で、どの店の何がずれているのかが分かります。

Q. 法人向けのまとめ買いやケータリングが混ざっています。

1件ずつの明細として取り込みます。何を1件と数えるか、チャネルごとに分けて見るかは会社ごとの判断になりますので、決めたあとで切り口を変えて見直せる形にしてあります。

Q. 製造の拠点と販売の店舗を分けて運営しています。

同じ表の中に並べられます。業態や拠点の種類ごとに分けて見ることもできます。

Q. 店舗側で、持ち帰りと店内を分けて登録する手間は増えますか?

増えません。会計のときにレジの側で区別されている情報を、そのまま取り込みます。取得は夜間に自動で行われるので、店舗で集計したり送信したりしていただく操作もありません。自動連携に対応していない経路だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。

Q. 稼働までどれくらいかかりますか?

接続実績のあるPOSレジ・勤怠システムであれば、約1週間で稼働を開始できます。持ち帰りや配達の経路が一覧にないものだった場合は、事業者様と打ち合わせたうえで新規に連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。いずれも、連携のための費用はいただきません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗で、どのPOSレジをお使いか。持ち帰りや配達の注文がどこに入っているか。この2つをお聞かせいただければ、税の持ち方をそろえて全店が並ぶまでの流れと、期間の目安をお伝えします。

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執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。