ラーメン多店舗の売上をそろえる|メニュー表記のゆれと営業日数

ラーメン店の商品名が表記のゆれで別々に集計される図。定義はそろえ、登録された商品名はそろえない扱い。

【結論】
ラーメン業態は商品点数が少なく、1杯ごとの積み上げがそのまま経営数字になります。それだけに、店ごとに少しずつ違うメニュー名の登録や、月によって変わる営業日数が、比較をそのまま狂わせます。TEAL BIは全店の売上・客数・人件費・仕入を夜間に自動で集め、前日ぶんを翌朝そろえます。ただしPOSレジに登録された商品名を、こちらの判断で寄せることはしません。ゆれているならゆれたまま見えるようにします。そこを隠すと、直せなくなるからです。

【この記事でわかること】
・同じ1杯が、店や時期によって別の商品として数えられてしまう理由
・表記のゆれを、こちらで勝手に寄せない理由(寄せると何が壊れるか)
・「定義はそろえる/登録された値はそろえない」という線の引き方
・営業日数の違う月どうしを、引きずられずに比べる見方
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

同じ1杯が、別の商品として数えられていませんか

同じ一杯が、別の商品に見える

いまの状態

本部が表計算で名前を寄せる

  • 店ごとの表記差を毎回探す
  • 同じ商品だと担当者が判断して合算する
  • 寄せ方はファイルの中にしか残らない
TEAL BI

登録された名前を、そのまま見せる

  • 商品名と分類名を原本として扱う
  • どの店の登録が違うかを画面で確認する
  • 直すときはPOSレジのマスタを直す

見た目を整えるための自動補正は、現場が意図した区別まで消すおそれがあります。

図1:本部が表計算で商品名を寄せ続ける状態と、POSレジに登録された名前の違いをそのまま見えるようにする状態の対比。

店舗が増えたラーメン企業で、全店の商品別売上を並べようとすると、たいてい最初にここで止まります。同じ商品のはずのものが、いくつかの行に分かれている。

原因はいくつもあります。半角と全角が混ざっている。スペースが入っている店と入っていない店がある。中点や長音の有無が違う。「大盛」と「大盛り」。券売機を入れ替えたときに登録し直して、そのとき少しだけ書き方が変わった。期間限定メニューを、店ごとに違う名前で登録した。

どれも現場が悪意なくやったことです。1店舗の中では、まったく困りません。困るのは、本部が全店を横に並べたときだけです。そして横に並べるのは月に1回か2回なので、そのたびに担当者がエクセルの上で手作業で寄せることになります。

表記のゆれは、こちらで勝手に寄せません

ここは、はっきり書いておきたいところです。TEAL BIは、POSレジに登録された商品名や分類名を、こちらの判断で同じものとして扱うことをしません。ゆれているなら、ゆれたまま並びます。

機械的に寄せるほうが、見た目はきれいになります。それでもやらないのは、その違いが「現場が意図して付けた区別」である可能性を、外から判定できないからです。

たとえば同じ名前に見える2つの商品が、実は麺量や提供時間帯で分けて登録されているかもしれません。ある店だけ後ろに記号を足して、限定の回と通常の回を分けているかもしれません。それを「表記のゆれ」と判断して1つにまとめてしまうと、分けていたものを勝手に合算することになります。しかも、合算された側からは、合算されたことが見えません。

間違って登録されているのなら、間違って登録されているとおりに出すべきだと考えています。直すべき場所はPOSレジのマスタであって、集計する側ではありません。そして、ゆれが画面に見えて初めて、どこを直せばいいかが分かります。集計側で静かに吸収してしまうと、マスタは永久に直りません。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。

定義はそろえます。登録された値は、そろえません

そろえるものと、そろえないもの

本部でそろえる

比較のための定義

  • 値引きの扱い
  • サービス料・席料・税の持ち方
  • 深夜の売上を付ける営業日
原本のまま

POSレジの登録値

  • 商品名
  • 分類名
  • 空白・記号・長音を含む表記

定義はそろえないと比較できません。登録値はそろえると、失われた区別に気づけません。

図2:店舗比較に必要な定義は全店で統一し、商品名や分類名はPOSレジの登録値を原本のまま残す境界。

いま書いたことと、TEAL BIが「全店を同じ基準でそろえる」と言っていることは、矛盾しているように見えるかもしれません。線はここで引いています。

  • そろえるのは「定義」——値引きを売上から引く前で見るか後で見るか。サービス料と席料をどこに入れるか。金券をどう扱うか。税をどう持つか。深夜の売上をどちらの日に付けるか。これらは本部側で1つに決めたうえで集計します
  • そろえないのは「登録された値そのもの」——商品名、分類名。ここは原本として扱い、加工しません

前者は、そろえないと店舗どうしを比べられません。しかも、どちらの定義が正しいかは会社として決められることです。後者は、そろえた瞬間に情報が失われ、しかも失われたことが分かりません。だから片方はそろえ、片方はそろえない。この区別が、多店舗の集計ではかなり効きます。

「先月より落ちた」の何割かは、営業日数の差です

月の合計だけを並べて前月と比べると、営業日数の違いがそのまま差として出ます。2月と3月では3日違います。定休日を設けている店、臨時休業のあった店、改装で数日閉めた店が混ざれば、差はさらに広がります。

回転で成り立つ業態ほど、この影響は素直に出ます。1日あたりの実力が変わっていなくても、月の合計は10%近く動きます。それを「先月より落ちた」と読んでしまうと、打つ必要のない手を打つことになります。

TEAL BIは日別で数字を持っています。合計ではなく1日ずつ並んでいるので、1日あたりで見る、曜日ごとに見る、同じ曜日どうしで比べるといった見方に、そのまま切り替えられます。営業日数の違いに引きずられずに比べられるのは、月次の集計表ではなく日次のデータを持っているからです。

値上げが効いたかは、杯数と単価を分けないと分かりません

原材料の価格が動く局面では、値上げの判断が続きます。難しいのは、値上げのあとに売上がどう動いたかを読むところです。

売上が横ばいだったとして、それが「客数が減ったぶんを単価が埋めた」のか「客数は変わらず単価だけ上がった」のかで、次の判断はまったく変わります。前者なら来店の頻度に効いている可能性があり、後者なら値上げは受け入れられています。

この読み分けには、売上・客数・客単価と、商品ごとにどれだけ出たかが同じ期間で並んでいる必要があります。1件ずつの明細を持っているので、値上げの前後で期間を切り直して見比べることもできます。後から見方を変えられるのは、集計済みの数字ではなく明細を持っているからです。

数字が届くのは、翌日の朝です

全店の明細を翌朝から比べる

閉店まで

店舗はいつも通り営業

POSレジへの登録と締め以外の作業はありません

夜間

売上明細を自動で取得

商品名は登録された値のまま受け取ります

翌朝

同じ営業日で全店を表示

売上・客数・客単価・人件費を日次で並べます

登録値は変えず、比較に必要な日付の定義だけをそろえます。

深夜営業や締め忘れが混ざっても、営業日の考え方は全店でそろえます。

図3:各店が通常営業を終えた後に売上明細を自動取得し、翌朝には同じ営業日で全店を比較できる流れ。

取得は夜間に自動で行われ、翌朝には前日ぶんの全店が並んでいます。並ぶ商品名は、それぞれの店がPOSレジに登録したそのままです。こちらで整える工程を挟んでいないので、翌朝の画面に出ている名前が、いま登録されている名前そのものになります。

締め忘れや開局し忘れがあった日も、営業日の考え方をそろえたうえで集計しますので、店舗によって日付がずれることはありません。深夜まで営業している店の売上をどちらの日に付けるかも、全店で1つに決めて集計します。

本部と店舗に、それぞれ何を出すか

入力が違っても、比較の定義は一つにする

各店のPOSレジ
券売機の売上
未接続店舗のCSV
定義を標準化登録された名称は加工しない
TEAL BI
  • 全店の売上・客数・客単価
  • 日別・曜日別・時間帯別
  • 商品名は登録されたまま

メーカーや入力経路の違いを吸収しても、商品名の違いは隠しません。

図4:POSレジ・券売機・CSVのデータを比較可能な定義にそろえ、商品名は登録どおり一画面に並べる構造。

本部には全店の一覧が並びます。売上・客数・客単価・人件費が、店舗別・日次で同じ基準で並びます。曜日別・時間帯別にも切り替えられます。

エリアマネージャーには担当する4〜5店だけ、店長には自分の店だけを表示できます。商品名のゆれは、その店を毎日見ている人がいちばん早く気づきます。見える範囲を絞ることと料金は、連動していません。

ブランドや業態が複数ある企業でも、同じ表の中に並びます。ブランドごとに分けて見ることもできます。

実際の画面はサービス紹介資料(全10ページ)に掲載しています。

実際に本番稼働している連携先

券売機やモバイルオーダーまで含めると、どこがどこまで実際に動いているのかは外から分かりません。判断していただけるよう、稼働状況をそのまま公開します。「本番稼働中」は、いま毎日データが流れている連携先です。

区分連携先状況
POSレジ東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+)本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー)本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー接続対応中
仕入インフォマート本番稼働中
メニューPlus(レシピ)接続対応中
勤怠・人事ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR本番稼働中
予約・口コミGoogleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ気象データ(全国・時間帯別)本番稼働中
上記以外ネットワーク未接続の店舗を含むCSVアップロードで統合対象に含められます

券売機を使っている店舗が混ざっている場合も、同じ表に並べます。自動連携に対応していない機種でも、CSVのアップロードで統合の対象に含められます。

どれくらい作業が減るのか

直営12店舗での実測値

106時間削減した集計作業
20万円人件費換算
12店舗実測した直営店

毎月の表記寄せを繰り返すのではなく、ゆれを見つけてPOSレジのマスタを直せる状態にします。

図5:多店舗の売上を1つの表にそろえるまでの、月あたりの集計作業の削減量。

TEAL BIを導入いただいた直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部で行われていたエクセル作業が減り、1か月あたり106時間、人件費に換算して20万円ぶんの時間が空きました。12店舗でこの数字です。担当者1人が1か月に働く時間の、およそ3分の2にあたります。

商品点数が少ない業態では、商品別の集計をエクセルの上で寄せる作業がここに重なります。この作業は毎回やり直しになります。寄せた結果はファイルの中にしか残らないので、翌月また同じことをします。明細をそのまま持っておけば、少なくとも同じ作業を毎月繰り返す必要はなくなります。

よくある誤解

登録値を残すことへのよくある誤解

表記ゆれを直してくれないなら、意味がない

経営数字はそろえた定義で比較できます。商品別では、直すべき登録を見えるようにします

商品数が少ないので、POSの帳票で足りている

全店比較と、後から期間を変える分析は、本部に明細が残って初めてできます

期間限定メニューが多いので、設定が大変になる

追加設定は要りません。POSレジに登録した名前のまま翌朝に並びます

図6:商品名を自動で寄せず、POSレジの登録値を原本として残す方針への誤解と、その答え。

「表記ゆれを直してくれないなら、意味がないのでは」

影響する範囲を分けて考えていただくのがよいと思います。

売上・客数・客単価・人件費といった経営数字は、商品名のゆれの影響を受けません。ゆれが効いてくるのは、商品ごとに並べたときだけです。そしてその場面では、どの店のどの登録がゆれているかが画面上ではっきり分かります。いまエクセルで毎月寄せている作業は、本来はPOSレジのマスタを1度直せば終わる作業です。ゆれが見えることが、その1度に手をつけるきっかけになります。

「商品数が少ないので、POSの帳票で足りています」

店舗が1つなら、そのとおりだと思います。帳票に出てくる名前は、その店が登録した名前だけです。

問題が出るのは、店舗を横に並べたときと、後から見方を変えたくなったときです。POSの画面は基本的に1店舗ずつで、全店ぶんを同じ形にそろえるところは本部の手作業として残ります。また、POS側の保存期間を過ぎると明細が消えるため、値上げの前後を比べたくなったときには、比べる材料がもう無いということが起こります。

「期間限定メニューが多いので、設定が大変そうです」

商品が増えたときに、こちら側で設定していただく作業はありません。POSレジに登録された明細をそのまま取り込むためです。

限定メニューを新しく登録しても、翌朝にはその名前のまま数字が並びます。登録した名前で出る、というのがそのまま仕様です。逆に言えば、登録の仕方をそろえておくほど、後から振り返るのが楽になります。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた見せ分けや日次の予実も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

いまエクセルで作っている集計を、すぐに止めていただく必要はありません。並行して動かし、商品別の数字が突き合うことを確かめてから切り替えていただけます。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. メニュー名の表記ゆれは、そちらで寄せてもらえますか?

こちらの判断では寄せません。POSレジに登録された値は原本として扱い、勝手に加工しない方針です。その違いが現場で意図して付けた区別である可能性を外から判定できないためで、寄せてしまうと分けていたものを勝手に合算することになります。ゆれている箇所は画面上で分かりますので、POSレジ側のマスタを直していただくのが基本です。そのうえで、どれとどれを同じものとして扱うかをご指定いただければ、POSレジの登録はそのままに、画面上の表示だけを寄せる設定もご用意しています。

Q. では、ばらけたままだと集計できないのではありませんか?

売上・客数・客単価・人件費といった経営数字は、商品名のゆれの影響を受けません。影響するのは商品ごとに並べたときだけで、その場面ではどの店のどの登録がゆれているかが分かります。

Q. 値引きやサービス料の扱いも、店によってばらばらです。

そちらはそろえます。値引きを引く前後のどちらで見るか、サービス料や席料をどこに入れるか、税をどう持つか、深夜の売上をどちらの日に付けるかは、全店で1つに決めたうえで集計します。定義はそろえ、登録された値はそろえない、という切り分けです。

Q. 営業日数が月によって違います。前月や前年と比べられますか?

比べられます。数字は日別で持っているため、月の合計だけでなく1日あたりや曜日ごとに切り替えて見られます。臨時休業や改装で閉めた日が混ざっていても、同じ考え方で扱えます。

Q. 券売機を使っている店舗があります。

同じ表に並べられます。自動連携に対応している機種は夜間に自動で取得し、対応していない機種はCSVのアップロードで統合の対象に含めます。連携先の一覧は本文中に掲載しています。

Q. 店舗に、商品名を登録し直してもらう必要はありますか?

TEAL BIを使うために登録し直していただく必要はありません。取得は夜間に自動で行われ、登録されている名前のまま並びます。ゆれを直したくなったときにPOSレジ側のマスタを直していただく順序で、逆になることはありません。ネットワークにつながっていない店舗だけ、CSVのアップロードで同じ表に含めます。

Q. 稼働までどれくらいかかりますか?

接続実績のあるPOSレジ・勤怠システムであれば、約1週間で稼働を開始できます。券売機の機種が一覧にないものだった場合は、メーカー様と打ち合わせたうえで新規に連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。連携のための費用は、どちらの場合もいただきません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗で、どのPOSレジや券売機をお使いか。それだけお聞かせいただければ、全店の商品別売上が同じ画面に並ぶまでの流れと、期間の目安をお伝えします。

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執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。