【結論】
予約台帳には「どこから何件入ったか」が、POSレジには「いくら売れたか」が記録されています。この2つがつながっていないので、どの予約経路がいくらの売上になったのかは、これまで誰も答えられませんでした。費用は経路ごとに1円単位で分かるのに、返ってきた売上は分からない。TEAL BIは、予約1件とPOSの伝票1枚を突き合わせて、伝票の金額に「どこから来たお客様か」を書き戻します。経路ごとの売上・客単価・再来店・注文されたメニューが、実際の会計金額で並びます。
【この記事でわかること】
・予約の「件数」と売上の「金額」が、なぜ別々のままなのか
・予約1件とPOS伝票1枚を紐付けると、何が言えるようになるのか
・予約が入っていない来店(ウォークイン)を、なぜ同じ表に並べるのか
・この分析を始めるための条件(予約台帳・卓番号)
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧
その予約経路が、いくらの売上になったか言えますか
費用は経路別に出るのに、売上は出てこない
経路ごとに分かるのは件数と費用まで
- 掲載料・手数料の請求は経路別に届く
- その経路のお客様がいくら使ったかは不明
- 件数が多い経路が良い経路に見える
経路ごとに売上と客単価が並ぶ
- 予約1件とPOS伝票1枚を突き合わせる
- 金額はレジの実績そのまま
- 再来店と注文内容まで経路別に見る
比べるものが「件数」から「その経路が実際に作った売上」に変わります。
予約経路ごとの掲載料や手数料は、毎月きちんと請求が来ます。金額も内訳も、1円単位ではっきりしています。一方で、その経路から来たお客様が、お店でいくら使ったのかは、請求書のどこにも書いてありません。
多くの企業で、経路ごとに把握できているのは予約件数と、それに掛かった費用までです。出ていったお金は正確に分かるのに、返ってきた売上のほうは分からない。この状態のまま「どの経路を厚くするか」を毎年決めているのが実情ではないでしょうか。
件数だけで比べると、たくさん取れている経路が良い経路に見えます。ただ、1組あたりの単価が低ければ、件数が多くても手元に残るものは少なくなります。逆に、件数は少なくても単価が高く、しかも再来店してくださる経路があるかもしれません。件数と売上は、別の話です。
「どこから来たか」と「いくら使ったか」は、別々の台帳に載っています
つながらない理由は、意外なほど単純です。記録されている場所が違うからです。
予約台帳に入っているのは、いつ・何名で・どの経路から予約が入ったか、です。ここに金額はありません。予約を受けた時点では、そのお客様が何を注文するか決まっていないからです。
POSレジの伝票に入っているのは、何を・いくら注文したか、です。こちらには経路がありません。レジは会計のための道具なので、そもそも予約経路を書き込む欄がありません。
片方には経路があって金額がなく、もう片方には金額があって経路がない。どちらのシステムに問題があるわけでもなく、別々の目的のために作られた台帳が2つあるだけです。手作業でつなごうとすると、1日ぶんでも数十枚の伝票を1件ずつ照合することになり、全店・1年ぶんとなれば現実的ではありません。
その結果として、予約台帳の管理画面では件数を見て、POSの集計では売上を見る、という別々の見方が定着します。2つの画面を行き来しているあいだは、経路ごとの採算という問いには手が届きません。
伝票の1枚ずつに、どこから来たお客様かを書き戻します
予約と伝票を、卓と時刻で対応づける
- 経路別の売上・客単価
- 経路別の再来店
- 経路別の注文内容
金額はレジの実績をそのまま使うので、推計値ではありません。
TEAL BIがやっているのは、予約1件と、POSレジの伝票1枚を対応づけることです。
手がかりは同じ店の・同じ卓の・近い時刻という3つです。19時に4名で入った予約と、19時すぎに同じ卓で始まった伝票は、同じお客様と考えるのが自然です。宴会のように滞在時間が長い予約は、対応づけの時間の幅を広く取ります。席を移動された場合のように、素直には合わない組み合わせもあるので、そこは実データで確かめながら調整してきました。
対応づけができると、伝票の金額に「この売上はどの経路から来たか」を書き戻せます。ここから先は、経路を軸にして売上を集計できます。金額はPOSの実績そのままなので、予約時点の見込み金額ではありません。当日の追加注文も、人数の変更も、そのまま入っています。
経路別に、こう見えるようになります
経路ごとの売上と、1人あたりの単価
経路ごとに、実際の売上と客単価が並びます。件数の多い経路と、単価の高い経路が、同じ表の上で別々に見えます。手元の請求額と突き合わせれば、その経路に払った費用がどれだけの売上になって返ってきたかを、ご自身で判断していただけます。コース中心なのか一品注文中心なのか、お酒がどれくらい出ているのかといった構成も、経路ごとに分かれます。
その経路のお客様が、また来ているか
1回目の来店だけで経路を評価すると、判断を誤ることがあります。単価は低いけれど繰り返し来てくださる経路と、1回きりで終わる経路とでは、同じ1組の意味がまったく違います。経路ごとに、新規と再来店の比率、通算の来店回数、その先の累計金額まで並べて見られます。1回あたりの単価と、そのお客様がこれまでに使ってくださった合計を2軸に取ると、どの経路が育っているかが見えます。
経路ごとに、何が注文されているか
伝票には明細が入っているので、経路ごとに何が売れているかまで下りられます。同じ店でも、経路によって出るメニューは変わります。ある経路ではコースばかり、別の経路では一品注文中心、ということが実際に起きます。これは、その経路に載せる写真やプランを決めるときの材料になります。店舗ごとに、経路別の注文ランキングとして表示されます。
予約が入っていない来店も、1つの経路として並べます
飛び込みのお客様は、どの予約経路にも属しません。ここを分析から外してしまうと、比較の土台が「予約が入った分だけ」に狭まってしまいます。
TEAL BIでは、予約と対応づかなかった伝票を「予約なしの来店」という1つの経路として同じ表に並べます。店によっては、こちらのほうが売上も客単価も大きいことがあります。予約経路に費用をかける判断は、この列と比べて初めて意味を持ちます。
朝食や貸切のように、通常の来店とは性質が違うものも、混ぜずに分けて集計します。
来店が確認できなかった予約も見えます
予約は入っているのに、対応する伝票が見つからない。この状態は、そのままでは「来られなかった予約」に見えます。経路ごとにこの割合が出るので、キャンセルの多い経路も分かります。
ただし、ここは慎重に扱っています。席を移動された、開始時刻が大きくずれた、といった理由で伝票と結びつかないだけの予約が相当数あります。それを全部「来なかった」と数えると、実態よりはるかに大きな数字が出ます。実際に当社でも、当初この数字が現実離れした水準で出ており、同じ日・同じ時間帯の伝票まで見て救済する処理を入れて是正しました。キャンセル率のような数字は、出し方ひとつで何倍にもなります。そのまま鵜呑みにできる数字ではない、という前提でご覧いただく設計にしています。
この分析を始めるための条件
経路別の分析は、予約台帳との連携が前提になります。予約台帳のほうに経路が記録されていないと、書き戻す元がありません。現在、本番で稼働している予約台帳はTableCheckです。トレタ・エビカは接続対応中です。
もう1つ、POS側の伝票に卓番号が入っていることが条件になります。卓番号を使わない業態や、ハンディを使っていない店舗では、伝票1枚ごとの対応づけができません。その場合でも売上そのものは通常どおり集計されますが、経路別の内訳は出ません。お使いのPOSと予約台帳の組み合わせで対応づけができるかどうかは、事前にこちらで確認してお伝えします。
よくある誤解
「予約台帳の管理画面で、経路別の件数はもう見られています」
はい、件数は見られます。ただ、そこに載っているのは予約の情報だけで、お会計の金額は載っていません。この記事でお伝えしているのは、その件数にレジの実際の売上を結びつける話です。予約台帳を置き換えるものではなく、予約台帳とPOSレジの両方をお使いのまま、間をつなぐものとお考えください。
「予約サイトの管理画面にも、売上らしき数字が出ています」
出ている場合もありますが、多くは予約時点で見込んだ金額(コース料金×人数など)です。当日の追加注文、ドリンクの出方、人数の増減は反映されません。見込みと会計は、店によってはかなり離れます。TEAL BIが並べるのはレジで実際に会計された金額なので、そのずれ自体も見えるようになります。
「予約経由のお客様は一部なので、分析しても意味がありません」
予約なしの来店が多い業態ほど、予約経路に費用をかけるべきかどうかの判断が重くなります。TEAL BIは予約なしの来店も1つの列として同じ表に並べるので、「そもそも予約経由に寄せる意味があるのか」という問い自体に数字で答えられます。予約が少ないことは、分析しない理由にはなりません。
実際に本番稼働している連携先
経路別の分析は、予約台帳とPOSレジの両方が毎日入っていることが前提の機能です。ですので連携先も、いま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは分けて出します。
| 区分 | 連携先 | 状況 |
|---|---|---|
| POSレジ | 東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+) | 本番稼働中 |
| ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー) | 本番稼働中 | |
| ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー | 接続対応中 | |
| 予約・口コミ | TableCheck/Googleビジネスプロフィール/Instagram ※Instagramは一部の企業様で稼働中です |
本番稼働中 |
| トレタ/エビカ | 接続対応中 | |
| 仕入 | インフォマート | 本番稼働中 |
| メニューPlus(レシピ) | 接続対応中 | |
| 勤怠・人事 | ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR | 本番稼働中 |
| 外部データ | 気象データ(全国・時間帯別) | 本番稼働中 |
| 上記以外 | ネットワーク未接続の店舗を含む | CSVアップロードで統合対象に含められます |
料金と、導入までの流れ
TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた経路別の分析も、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。
導入の流れは、いまお使いのPOSレジ・予約台帳・勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。
画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。
よくあるご質問
Q. 予約台帳は何を使っていれば対応できますか?
現在、本番で稼働しているのはTableCheckです。トレタ・エビカは接続対応中で、稼働時期は個別にご案内しています。予約台帳をお使いでない場合、経路別の内訳は出ませんが、売上・人件費・仕入の日次集計はこれまでどおりご利用いただけます。
Q. 予約と伝票は、どれくらいの割合で結びつきますか?
店舗と業態によって大きく変わります。予約中心のお店では高く、飛び込みの多いお店では低くなります。結びついた割合そのものも画面に表示しています。低いお店の数字を高いお店と同じ精度で扱わないための目安としてご覧いただくためです。実際の値は、連携後の最初のデータでお示しします。
Q. 掲載料や手数料も入れて、経路ごとの採算まで出せますか?
現時点では、費用側はTEAL BIに取り込んでいません。お出しするのは売上・客単価・再来店・注文内容までで、費用は手元の請求額と突き合わせていただく形になります。費用は契約条件によって企業様ごとに大きく違うため、こちらで推定した数字を混ぜないほうが判断を誤らないと考えています。
Q. 卓番号を使っていない店舗はどうなりますか?
伝票1枚ごとの対応づけができないため、その店舗では経路別の内訳が出ません。売上・客数・客単価などの通常の集計は同じようにご覧いただけます。同じ企業様のなかで、卓番号を使う店舗と使わない店舗が混ざっていても問題ありません。
Q. お客様個人の情報を扱うことになりますか?
画面に表示するのは、経路別・店舗別に集計した数字です。再来店の判定には予約台帳側の来店履歴を使いますが、個人のお名前や連絡先を画面に出す設計にはしていません。ご懸念がある場合は、扱う項目を事前にご確認いただけます。
Q. 過去にさかのぼって見ることはできますか?
予約台帳とPOSレジの双方に過去データが残っていれば、さかのぼって対応づけできます。過去データの取り込みに追加費用はいただきません。ただし保存期間は製品と契約によって異なり、片方しか残っていない期間は経路別の内訳が出ません。
Q. 経路別の数字が見られるようになるまで、どれくらいかかりますか?
すでに接続実績のあるPOSレジ・予約台帳であれば、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合は、メーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行い、期間の目安は1か月程度です。経路別の集計は、両方のデータが入り始めた時点から出ます。いずれの場合も連携のための費用はいただきません。
TEAL BIについて
TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。
いま何店舗でどのPOSをお使いか、予約台帳は何をお使いか。この2つをお聞かせいただければ、経路別の分析ができる構成かどうかと、稼働開始までの流れをお返しします。いま予約経路ごとに何を見て判断されているかも、あわせて教えてください。
あわせてお読みください:
売上を時間帯別に見る:1日の合計では人の配置は決まらない
その数字、店長会議で使えますか:POS混在のままで毎日確定する本部集計
先月の数字が出るのが今月の半ば:月末を待たずに当月の着地を見る
売上速報のエクセル作成をやめる:多店舗飲食の本部集計を自動化
執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。




