【結論】
「店舗別に月で並べたい」「今度は時間帯を曜日で割ってほしい」という依頼は、見たい切り口が毎回違うから発生します。作り置きの帳票をいくら増やしても追いつきません。TEAL BIには、行・列・値に置くものを自分で入れ替えて、その場で表を組み直せる画面があります。置ける軸と指標はこちらで用意した一覧から選ぶ形なので、人によって計算の定義がずれることはありません。出てきた表は、ボタンを押すとその場でAIが3文で読み解きます。押したときだけ動くので、見ているだけで費用が積み上がることもありません。
【この記事でわかること】
・帳票を増やしても依頼が減らない理由
・自由に組み替えられるのに、数字の定義がずれない仕組み
・POSレジ単体では作れない掛け合わせが何か
・AIに渡しているもの/あえて渡していないもの
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧
先週つくった表を、今週また作り直していませんか
切り口は毎回変わる。帳票は作り置きしかできない
見たい形が出るまで、人を介する
- 本部か業者に依頼して数日待つ
- 出てきた表を見て、また別の切り口を頼む
- 待てないので自分でエクセルに落とす
行・列・値を置き換えて、その場で組み直す
- 店舗×月を、時間帯×曜日に数秒で変える
- 置ける軸と指標は一覧から選ぶ
- 出た表はそのままAIに読み解かせられる
依頼が減らない原因は帳票の本数ではなく、切り口を決める人と表を作る人が分かれていることです。
多店舗の会社で「この表を作ってほしい」という依頼が消えないのは、見たい切り口が、そのときどきの問題によって変わるからです。売上が落ちた店が出れば店舗×月で見たくなり、原因を追うと時間帯×曜日で見たくなり、商品の話になれば分類×店舗で見たくなります。
これに帳票を増やす形で応えると、「先月つくった表が、今月にはもう使われていない」という状態になります。使われない帳票は消えずに残るので、画面のメニューだけが長くなっていきます。そして次の依頼が来ます。
待てない人はエクセルに落とします。ここで別の問題が起きます。落とした先で計算式を書き直すので、同じ「原価率」でも人によって中身が違う表が並び始めます。会議で数字が合わない原因の多くは、この段階で生まれています。
行と列に置くものを入れ替えるだけで、表が組み替わります
TEAL BIには、フィールドを「行」「列」「値」「フィルター」の4つの置き場に配置して集計する画面があります。表計算ソフトのピボットテーブルと同じ考え方です。違うのは、集計の材料がすでにTEAL BIの中でそろっていることです。
たとえば「行に店舗、列に年月、値に売上」と置けば、店舗別の月次売上の表になります。行を「時間帯(30分)」、列を「曜日」に置き換えれば、同じ画面がそのままピーク分析の表になります。データを出し直す作業も、エクセルを開く作業も、間に入りません。
表は濃淡(ヒートマップ)で表示できます。数字が並んだだけの表では、どこが高くてどこが低いかを目で追うのに時間がかかります。濃淡にすると、店舗×月の表なら落ち込んだ月が、時間帯×曜日の表なら谷の時間帯が、先に目に入ります。小計の表示も切り替えられます。
軸をたくさん置くと表が縦に長くなります。そのため「レイアウトの更新を保留する」という切り替えを用意しています。置き場を何回か触ってから、まとめて集計し直す使い方です。1つ動かすたびに待たされることがありません。
置ける軸と指標は、こちらで用意した一覧から選びます
この画面では、計算式を自分で書くことはできません。置ける軸(日付・曜日・年月・月度・平日/土日/祝日・店舗・エリア・時間帯グループなど)と、置ける指標(売上・客数・組数・客単価・人件費率・原価率・FL率・人時売上など)は、あらかじめ決まった一覧から選ぶ形になっています。
なぜ自由に式を書かせないのか
自由度を上げるほど、同じ名前で中身の違う数字が増えるからです。式を書ける画面を配ると、担当者ごとに「人件費率」の分母が変わります。分母が売上(税抜)なのか売上(税込)なのか、どこまでを人件費に含めるのかで、率は簡単に数ポイント動きます。
一覧から選ぶ形にしておけば、誰がどの順番で組み替えても、同じ指標は同じ定義で計算されます。会議で並んだ2つの表が食い違ったときに、定義の違いを疑わなくてよくなります。
集計方法も「合計」と「平均(1日あたり)」の2つだけにしてあります。そして率や単価の指標は、平均を選んでも合計同士で割り直した加重平均になります。日ごとの原価率を単純に足して日数で割ると、売上の小さい日が大きい日と同じ重みで効いてしまい、実態からずれた数字が出るためです。
POSレジ単体では作れない掛け合わせが、最初から用意されています
白紙の画面を渡されても、最初の1枚は出しにくいものです。そのためよく使う組み合わせをあらかじめ用意してあります。選ぶとその条件で表が出るので、そこから行や列を変えていく使い方ができます。
| 用意してある表 | 何が分かるか |
|---|---|
| 店舗 × 月 の売上 | まずここから。伸びている店と落ちている店を月で並べます |
| 店舗 × 月 の FL率 | 人件費と仕入を売上で割った率。勤怠と仕入をつながないと出ません |
| 店舗 × 月 の人時売上 | 1人時間あたりいくら売れたか。シフトの厚さが売上に見合っているか |
| 時間帯 × 曜日 の売上 | 30分枠の濃淡表。ピークと谷が、シフトと仕込みの根拠になります |
| 商品大分類 × 店舗 の売上 | 何が売れている店か。品揃えや推しの違いを店舗間で比べます |
| 客層 × 曜日 の客単価 | どの客層がどの曜日にいくら使っているか。販促の当て先を決めるとき |
このうちFL率と人時売上には「TEALでしか出せない」という印が付いています。POSレジの管理画面にも売上の集計はありますが、人件費は勤怠システムに、仕入は仕入システムにあります。3つを同じ日付・同じ店舗の粒度でそろえないと、この2つの指標は出ません。TEAL BIはその接続を先に済ませているので、行と列を置くだけで出てきます。
切り替えられるデータセットは売上・人件費・仕入(日次)/時間帯別売上/商品別売上/客層別売上/勤怠・人件費/支払方法別売上です。比較は前年同曜(52週前)・前年同日・前期間から選べます。曜日のずれが売上に効く業態では、前年同日より前年同曜のほうが実態に近く出ます。
出てきた表を、そのままAIに読み解かせられます
渡すのは表に出ている数値と軸の名前だけ
- 次に見るとよい表も並ぶ
- そちらはAIを使っていない
読み解きは表の後に来ます。表を置き換えるものではありません。
表の下にある「この表をAIに読み解いてもらう」を押すと、読み解きが3文以内、次の打ち手が2文以内で返ります。どのセルが目立っているかを数字を挙げて書き、明日できることを挙げる、という形に固定しています。
表を見て「で、どうすればいいのか」で止まってしまうのは、数字を読む訓練を受けているかどうかの差です。その差を、同じ画面の中で埋めることを狙っています。読み解きが出たあとも表はそのまま残るので、書かれた内容を自分の目で確かめられます。
読み解きに、あえて渡していないもの
AIに何を渡していないかのほうが、実務では重要だと考えています。決めていることは次のとおりです。
| 決めていること | なぜそうしているか |
|---|---|
| 渡すのは表に出ている数値と軸の名前だけ | 顧客名や個人情報は渡しません。画面に出ていないものは材料にしません |
| 表示のたびには走らせない | ボタンを押したときだけ1回動きます。見ているだけで費用は増えません |
| 1回に渡すのは120セルまで | 表が大きいときは金額の大きい順に絞り、絞ったことを伝えます |
| 表に無い事実を推測で断定しない | 根拠は表の数字だけ。背景の事情を勝手に補わせません |
| 次の打ち手は現場が明日できること | 体制や投資の話にせず、担当者の手の届く範囲に限定しています |
次に見るとよい表が、ボタンとして並びます
読み解きとは別に、「次に見るとよい表」がボタンで出ます。こちらはAIを使っていません。出ている表の中で平均から最も外れている行を選び、その行に絞ったうえで、まだ使っていない軸(時間帯・曜日・大分類・客層など)で切り直す条件を作るという決まった手順で出しています。
ボタンには「〈その店舗名〉を 時間帯(1時間) で見る」のように出て、押すとその条件で表が組み変わります。外れ方が平均の15%未満のときは何も出しません。差が小さいのに深掘りを勧めると、追わなくていいものを追うことになるからです。
気になったセルはダブルクリックで日付ごとの内訳に割れます。月の数字が跳ねているとき、それが月を通した傾向なのか、特定の1日でできた山なのかは、日別に割らないと分かりません。
触る人が変わっても、見える店舗は変わりません
自由に組み替えられる画面をエリアマネージャーや店長に配るとき、必ず確認されるのが「他の店の数字まで見えてしまわないか」です。
この画面では、集計そのものが、その人に許可された店舗の範囲でしか行われません。表示のときに隠しているのではなく、数字を作る段階で範囲が効きます。店舗の単位でも、エリアの単位でも設定できます。店舗を絞り込む操作をしても、もともと見えていない店舗が現れることはありません。
考え方としては、画面の出し分けを安全の根拠にしないということです。誰がどの順番で操作しても、範囲の外は出てきません。
組み立てた条件は、名前をつけて渡せます
せっかく組み立てた条件を毎回作り直すのでは意味がありません。条件は名前をつけて保存できます。見せる相手は「自分だけ」「指定した人だけ」「社内全員」から選びます。
保存では期間の扱いを選べるようにしてあります。「毎回ずらす」を選ぶと、開いた日を基準にした直近の期間で集計し直されます。定例で見る表はこちらです。「この日付で固定」を選ぶと、保存したときの期間のまま残ります。会議で使った表を、あとから同じ数字のまま見返したいときに使います。
その場で人に渡したいときは共有URLがあります。いま見ている条件がURLに入るので、貼って送れば相手は同じ表を開けます。もちろん相手に見えるのは、相手自身に許可された店舗の範囲です。表そのものはCSVに書き出せます。
取り込みが済んでいないデータは、0ではなく「準備中」と出ます
御社でまだ接続が済んでいないデータセットを選んだ場合、この画面は0や空欄の表を出しません。「まだ取り込みが完了していません」と表示して止まります。
これは細かい話に見えて、実務ではかなり効きます。集計の結果としての0と、データが来ていないことによる0は、表の上では見分けがつきません。見分けがつかないまま会議に出ると、「今月は仕入がゼロだった」という誤った結論が、その場では否定できなくなります。
条件が厳しすぎて1行も出なかったときも同じで、該当が無かったことと、期間が営業日を含んでいない可能性を、文章で表示します。そのうえで「期間を直近30日にする」「絞り込みを外す」といった戻し方をその場に出しています。
よくある誤解
「データをエクセルに出してピボットを作れば、同じことができます」
できます。ただし「出す」作業が毎回発生します。そして出す先が複数になります。売上はPOSレジから、人件費は勤怠システムから、仕入は仕入システムから出すことになり、店舗名の表記も、日付の切り方も、締め日の扱いも、システムごとに違います。ピボットを作る前に、その3つをそろえる作業が毎回残ります。TEAL BIが引き受けているのはそこです。
「自由に集計できるなら、人によって違う数字が出るのでは」
自由なのは並べ方だけです。指標の計算方法は一覧に固定されていて、利用者が変えることはできません。率や単価は合計同士で割り直した加重平均になり、見える店舗の範囲も操作では変わりません。組み替えられるのは「どう並べるか」であって、「いくつになるか」ではありません。
「AIが読み解いてくれるなら、表そのものは見なくてよいのでは」
逆です。読み解きは、表に出ている数値だけを根拠にするよう固定されています。つまり表に出ていないことは書かれません。読み解きは表を置き換えるものではなく、表の中でどこを先に見るべきかを示すものとして置いています。数字の確認は、これまでどおり表で行ってください。
実際に本番稼働している連携先
この画面で切れる軸と指標は、連携済みのデータの範囲で決まります。連携先はいま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは分けて出します。
| 区分 | 連携先 | 状況 |
|---|---|---|
| POSレジ | 東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+) | 本番稼働中 |
| ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー) | 本番稼働中 | |
| ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー | 接続対応中 | |
| 予約・口コミ | TableCheck/Googleビジネスプロフィール/Instagram ※Instagramは一部の企業様で稼働中です |
本番稼働中 |
| トレタ/エビカ | 接続対応中 | |
| 仕入 | インフォマート | 本番稼働中 |
| メニューPlus(レシピ) | 接続対応中 | |
| 勤怠・人事 | ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR | 本番稼働中 |
| 外部データ | 気象データ(全国・時間帯別) | 本番稼働中 |
| 上記以外 | ネットワーク未接続の店舗を含む | CSVアップロードで統合対象に含められます |
料金と、導入までの流れ
TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた表の組み替え・保存と共有・AIによる読み解きも、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。
導入の流れは、いまお使いのPOSレジ・勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。
FL率や人時売上のように勤怠や仕入をつないで初めて出る指標は、その連携が済んだデータセットから順に使えるようになります。まだ済んでいないものは、前に書いたとおり「準備中」と表示されます。
画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。
よくあるご質問
Q. どんな組み合わせでも表にできますか?
置ける軸と指標は、データセットごとに決まった一覧から選びます。行か列に1つ以上、値に1つ以上を置けば集計できます。計算式をご自身で書く画面ではありません。必要な軸や指標が一覧に無い場合は、追加のご相談を承ります。
Q. 前年と比べられますか?
できます。前年同曜(52週前)・前年同日・前期間の3つから選びます。飲食業は曜日の並びで売上が動くため、前年同日より前年同曜のほうが実態に近く出ることが多くあります。比較した期間は表の上に表示されます。
Q. 組み立てた表を、他の人にそのまま渡せますか?
3つの方法があります。条件に名前をつけて保存し「指定した人だけ」「社内全員」に見せる方法、共有URLを送る方法、CSVに書き出す方法です。保存では、開くたびに期間をずらすか、保存したときの期間で固定するかを選べます。
Q. 店長に触らせても、他店の数字は見えませんか?
見えません。集計の段階で、その方に許可された店舗の範囲だけが対象になります。表示を隠しているのではないので、絞り込みを操作しても範囲外の店舗は出てきません。共有URLを受け取った側でも同じです。
Q. 軸を増やしすぎて表が大きくなったらどうなりますか?
返す行数には上限があります。上限を超えた場合は「件数が上限を超えたため一部のみ表示しています。期間か軸を絞ってください」と表示してお知らせします。黙って途中で切れることはありません。組み替えている途中で毎回集計させたくないときは、「レイアウトの更新を保留する」に切り替えてからまとめて実行してください。
Q. AIの読み解きは、開くたびに費用がかかりますか?
かかりません。読み解きはボタンを押したときだけ1回動きます。画面を開いただけ、表を組み替えただけでは動きません。同じ条件の結果は画面側で保持するので、条件を変えるまで何度も呼び出されることもありません。月額料金に含まれます。
Q. こういう画面を使ったことがない担当者でも、最初の1枚を出せますか?
用意してある組み合わせ(店舗×月の売上、時間帯×曜日の売上など)を選べば、その条件で表が出ます。そこから行や列を1つ入れ替えていくのが、いちばん迷わない使い方です。導入時の説明もこの順番で行っています。
TEAL BIについて
TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。
いま何店舗を運営されていて、店舗別の集計をどなたが作られているか。この2つをお聞かせいただければ、この画面をどこまでお使いいただける構成かと、稼働開始までの流れをお返しします。「毎月かならず作っている表」が1つあれば、それも教えてください。用意してある組み合わせで出せるかどうかを、先にお答えします。
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「この数字、どう出してるんですか」に答えられますか:指標の横の「?」に、計算式とデータ元と読むときの注意を入れました
「最近、お客さんの層が変わった」と言われて、確かめられますか:レジの客層ボタンを、店をまたいで足せる形にそろえます
売上を時間帯別に見る:1日の合計では人の配置は決まらない
その数字、店長会議で使えますか:POS混在のままで毎日確定する本部集計
人件費を金額ではなく労働時間で管理する:シフトと実打刻の日次予実
口コミへの返信が、いつも後回しになる:全店ぶんを1画面に集めて下書きから投稿まで
執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。




