レジの日計と本部の集計が合わない|差額を全店・日別に並べて、いつもと違う日を見つける

レジの日計と本部の集計が合わない|差額を全店・日別に並べて、いつもと違う日を見つける

【結論】
レジが締めた日計と、本部が明細から積み上げた集計は、そもそもぴったり同じにはなりません。税の扱いがメーカーごとに違うからです。問題は差があること自体ではなく、いつもと違う差になった日を、誰も見つけられないことです。TEAL BIには、レジ側の確定値とTEAL側の計算値を同じ営業日・同じ店舗・同じレジで並べて、差額と食い違った日数を全店ぶん一覧にする画面があります。気になった店舗の行を開けば、その場で日別まで降りられます。

【この記事でわかること】
・レジと本部の数字がぴったり合わない、構造的な理由
・「差をゼロにする」ではなく「差が動いた日を見つける」という見方
・突き合わせている5つの数字と、その読み方
・この画面が対応しているPOSレジと、対応していない場合にどう見えるか
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

「レジと合ってるの?」と聞かれて、答えられますか

差はいつもある。分からないのはいつ変わったか

いまの状態

合わないと気づくのは、指摘されたとき

  • 月末や監査で、はじめて差に気づく
  • どの店のどの日かを店舗に聞いて探す
  • 差がいつもの範囲なのか判断できない
TEAL BI

差額と食い違った日数を、全店ぶん並べる

  • 店舗×レジで1行、期間ぶんの差額と日数
  • 気になる行を開くと、その店の日別が出る
  • どの日のどの数字がずれたかまで降りられる

差をゼロにするための画面ではありません。差がいつもと違う動き方をした日を、探しにいける状態にするための画面です。

図1:差に気づくのが指摘されたときになっている状態と、差額と食い違った日数を全店で一覧にした状態の違い。

多店舗の飲食企業で、本部の集計とレジの締めが1円まで一致していることは、まずありません。それでも日々の業務は回ってしまうので、差の存在はたいてい放置されます。表面化するのは、税理士から指摘されたとき、監査で聞かれたとき、あるいは「先月の売上、システムと帳簿でいくら違うんですか」と役員に聞かれたときです。

そこから調べ始めると、まずどの店舗のどの日に差が出ているのかを特定する作業から始まります。レジの日計を店舗から集め直し、本部の集計と横に並べ、差がある行を目で追う。店舗数が多いほど、この最初の一歩に時間がかかります。原因を調べる前の、場所探しだけで数日が消えます。

この記事で扱うのは、その場所探しをあらかじめ済ませておくという考え方です。

合わないこと自体は、たいてい異常ではありません

先に、いちばん誤解されやすいところを書きます。レジ締めの数字と、明細を積み上げた数字は、構造的に一致しないことがあります。とくにメニュー単位の金額がそうです。税を含めた金額で持っているメーカーと、税を含めない金額で持っているメーカーがあり、どちらに寄せても、もう一方とは基準が変わってしまうためです。

ですから、この画面のメニュー金額の欄には、次の説明をそのまま表示しています。

税基準はPOSレジメーカーごとに異なります。金額が一致することを目的とした指標ではなく、日ごとの差額が急に変わっていないか(キャンセル・取消の取りこぼしが無いか)を見るための指標です。

つまり、見るのは差額の絶対値ではなく、差額の動き方です。いつも数百円ずれている店舗が、ある日だけ数万円ずれていたら、そこには理由があります。取消の処理が漏れた、レジの締めをやり直した、返品を別日に付け替えた。そういう出来事は、日々の運用のなかでは誰も報告してきません。差額の並びだけが、それを覚えています。

レジが申告した確定値と、明細から積み上げた計算値を並べます

画面の説明文は1行だけです。

同一店舗・同一営業日・同一POSについて、POSが申告した確定値とTEALが明細から積み上げた計算値を突き合わせます。

左がレジ側です。レジが自分で締めて出した、その日の確定値。右がTEAL側で、こちらは伝票やメニューの明細を1件ずつ足し上げて作った数字です。同じ日の同じ店舗の同じレジについて、この2つを横に置きます。

同じ店舗に複数のメーカーのレジが入っている場合は、レジごとに別の行になります。店舗単位でまとめてしまうと、どちらのレジで起きたことなのか分からなくなるためです。

突き合わせるのは、5つの数字です

突き合わせる数字 何を見るためのものか
伝票 / 合計金額(税抜) その日の売上そのもの。会計側とつなぐときの基準になる
伝票 / 合計金額(税込) レジの締めと突き合わせるときは、こちらで見ることが多い
伝票 / 客数 金額が合っていても客数だけずれることがある。客単価が狂う原因になる
メニュー金額差(POS別基準) 税の基準がメーカーごとに違うため、差額の動き方だけを見る欄
メニュー / 商品点数 金額より先に点数がずれることがある。取消・返品の取りこぼしが出やすい

金額を税抜と税込の両方で持っているのは、見る相手によって必要な基準が違うからです。会計の話をするときは税抜、店舗と話すときは税込という使い分けは、多店舗の現場では日常的に起きます。どちらかに寄せると、必ずもう一方で読み替えが発生します。

客数を金額と別に持っているのにも理由があります。金額が一致していても客数だけがずれると、客単価が静かに狂います。客単価は多くの会社で店長評価の材料になっているので、ここがずれたまま気づかないのは実害があります。

最初に出るのは、店舗ぶんの一覧です

まず店舗の一覧、開いたら日別

1枚目:店舗の一覧

店舗 × レジで1行

  • 対象日数(突き合わせた営業日の数)
  • 5つの数字それぞれの「差額 / 不一致日数」
  • 食い違いのあった欄は赤で出る
2枚目:その店の日別

行を開くと営業日ごとに降りる

  • 各数字にレジ側・TEAL側・差額の3列
  • 差額のある日だけ赤くなる
  • 「戻る」で一覧に戻る

一覧に総計の行はありません。会社全体の差額を1つの数字にまとめても、それだけでは次にやることが決まらないためです。

図2:店舗ぶんの一覧と、行を開いて降りたときの日別表の関係。

期間を指定して「検算する」を押すと、まず店舗とレジの組み合わせごとに1行の一覧が出ます。列は、対象日数と、5つの数字それぞれの「差額 / 不一致日数」です。期間内に何日ぶん食い違ったかが、そのまま数字で出ます。

気になる行をクリックすると、その店舗の日別に切り替わります。ここでは各数字にレジ側・TEAL側・差額の3つの列が並ぶので、どちらがいくつで、どれだけ離れているかが1行で読めます。見終わったら「戻る」で一覧に戻ります。

一覧に会社全体の総計行は置いていません。全社の差額を合計しても、次にやることが決まらないからです。この画面で決めたいのは「どの店のどの日を見に行くか」なので、そこに必要のない数字は載せていません。

差額は丸めません。1円違えば、その日は食い違いとして数えます

判定に許容範囲は設けていません。レジ側とTEAL側が完全に同じ値のときだけ一致で、それ以外は食い違いとして数えます。「1,000円までの差は無視する」といった設定はありません。

これは意図的です。閾値を置いた瞬間に、その閾値の下に隠れる差が生まれます。いつも800円ずれている店舗が、ある日1,500円ずれたとしても、1,000円の閾値では前者が見えないので、変化にも気づけません。差額をそのまま出して、動き方を人が見る。この画面はそういう作りにしてあります。

差額の符号にも意味があります。画面では「差額 = POS − TEAL。プラスの場合はTEALが過少です。」と表示します。プラスなら、レジが申告した金額に対してTEAL側の積み上げが足りていない。マイナスなら逆です。どちら向きにずれているかが分かると、調べる先が絞れます。

片側が取れていない日は、0ではなく「取れていない」と出します

レジ側かTEAL側のどちらかのデータが取得できていない日があります。このとき、取れていない側を0として計算することはしません。0にしてしまうと、その日は満額の差額が出たように見えて、実際には何も起きていないのに赤くなるからです。

代わりに、値のない欄は「—」で表示し、日別の行には警告のしるしを付けて「POS側かTEAL側のどちらかを取得できていない指標があります」と示します。「差がある」と「まだ分からない」は、別のこととして扱っています。

対象の日にデータそのものが無い場合は、表を出さずに「対象データがありません。営業日と店舗を確認してください。」と表示します。空の表を見せて考え込ませることはしません。

いま検算できるのは、5メーカーのPOSレジです

この画面が突き合わせに対応しているのは、東芝テック・NECモバイルPOS・スマレジ・ポスタス(POS+)・USENレジの5メーカーです。レジ自身がその日の確定値を返してくれる仕組みがあって初めて、突き合わせの片側が作れます。そのため、対応は連携ごとに個別に用意しています。

これ以外のメーカーをお使いの店舗は、この画面には行が出ません。データが連携されていないという意味ではなく、突き合わせの相手になる確定値をこの画面がまだ持っていない、という意味です。全店の集計や他の分析画面には、これまでどおり含まれます。対応メーカーの追加については個別にご相談ください。

押したときに集計します。夜のうちに作り置きはしていません

画面を開いただけでは何も動きません。期間を決めて「検算する」を押したときに、その場で集計します。初期の期間は前日までの14日間が入っていて、最長で92日までまとめて指定できます。

結果が大きくなりすぎたときは、途中で黙って打ち切ることはせず、行数が上限を超えたことをお知らせして、期間を狭めるようご案内します。日付の入力を間違えたときも、「終了日は開始日以降の日付を指定してください。」のように、直せる形で戻します。

なお、突き合わせの材料になるデータそのものは、夜間に自動で取り込まれています。翌朝には前日ぶんが入っているので、朝いちばんに前日を含む期間で検算する、という使い方ができます。

よくある誤解

「差がゼロにならないなら、見ても仕方がないのでは」

ゼロにするための画面ではありません。差の大きさではなく、差の変化を見るための画面です。いつも同じくらいずれている店舗は、そのずれ方が正常です。判断材料になるのは、そこから外れた日がいつだったかで、それは差額を日別に並べて初めて見えます。ゼロを目標にすると、税基準の違いという直せないものを追いかけることになり、かえって本当の異常が埋もれます。

「レジの締めが正しいのだから、本部はそちらに合わせればよいのでは」

レジの締めが常に正しいとは限りません。締め忘れ、二重締め、締めたあとの取消処理は、現場では珍しくない出来事です。逆にTEAL側だけがずれることもあります。どちらが正しいかを決める画面ではなく、2つが離れた日を見つける画面だと考えてください。どちらに原因があったかは、その日を特定してから調べることになります。

「店舗数が少ないので、合わない日はすぐ分かります」

分かるのは、金額が大きくずれた日だけです。実際に見つけにくいのは、金額は合っているのに客数だけがずれた日や、点数だけが合わない日です。こうしたずれは売上の見た目を変えないので、月次を見ていても表面化しません。客単価や商品別の分析を使い始めたときに、はじめて数字が変だと気づくことになります。

実際に本番稼働している連携先

この画面で検算できる範囲は、連携済みのデータで決まります。連携先はいま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは分けて出します。なお、本番稼働中のPOSレジがすべて検算表の対象というわけではありません。対象は前に挙げた5メーカーです。

区分 連携先 状況
POSレジ 東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+) 本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー) 本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー 接続対応中
予約・口コミ TableCheck/Googleビジネスプロフィール/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
トレタ/エビカ 接続対応中
仕入 インフォマート 本番稼働中
メニューPlus(レシピ) 接続対応中
勤怠・人事 ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR 本番稼働中
外部データ 気象データ(全国・時間帯別) 本番稼働中
上記以外 ネットワーク未接続の店舗を含む CSVアップロードで統合対象に含められます

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた検算の実行と、日別へのドリルダウンも、この料金に含まれます。オプション料金という考え方をしていません。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジ・勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. 一度にどれくらいの期間を検算できますか?

最長92日です。画面を開いた時点では、前日までの14日間が入っています。期間が長く店舗数も多くて結果が大きくなりすぎる場合は、行数の上限を超えたことをお知らせして、期間を狭めるようご案内します。黙って途中で切れることはありません。

Q. 差額がプラスのときとマイナスのときで、意味は違いますか?

違います。差額はレジ側からTEAL側を引いた値です。プラスならTEAL側の積み上げが足りていない状態、マイナスならTEAL側が多い状態です。画面上にも「差額 = POS − TEAL。プラスの場合はTEALが過少です。」と表示しています。どちら向きにずれたかが分かると、取消の取りこぼしなのか二重計上なのか、調べる方向を先に絞れます。

Q. 1円でも違えば食い違いになるなら、画面が赤だらけになりませんか?

メニュー金額の欄は、税の基準がメーカーごとに違うため、日常的に差が出ます。そこは一致を目指す欄ではないと画面上にも書いています。一方で、伝票の金額と客数は一致することが多く、ここが赤くなる日には理由があります。許容範囲を設けていないのは、閾値の下に隠れる差を作らないためです。

Q. 対応していないPOSレジの店舗は、どう表示されますか?

この画面には行が出ません。突き合わせの相手になるレジ側の確定値を、その連携ではまだ用意していないためです。データ連携そのものは行われているので、全店の集計や他の分析画面にはこれまでどおり含まれます。対応メーカーの追加はご相談を承っています。

Q. 検算した結果を、そのままエクセルに落とせますか?

この画面にCSV出力は用意していません。画面上で店舗の一覧から日別へ降りて、その場で原因の当たりを付けていただく想定で作っています。数字を持ち出して別の表を作る用途であれば、行と列を自由に組み替えられる集計画面のほうが向いています。

Q. 差が出た日は、そのあとどう調べますか?

まず日別に降りて、5つの数字のうちどれがずれているかを見ます。点数だけがずれていれば取消や返品の処理、客数だけがずれていれば組数の入力、金額だけが大きく動いていれば締めのやり直しが疑わしくなります。そのうえで、該当日の店舗にあたるのが最短です。この画面の役目は、原因の断定ではなく、あたる先を1日単位まで絞ることです。

Q. 毎日この画面を開く必要がありますか?

毎日でなくても構いません。期間をまとめて指定できるので、週に一度、直前の1〜2週間を見る運用でも食い違った日は拾えます。月次の締めの前に、その月ぶんをまとめて確認しておく使い方をされることもあります。押したときだけ集計するので、開いていない間に負荷や費用がかかることはありません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗を運営されていて、どのメーカーのPOSレジをお使いか。この2つをお聞かせいただければ、この検算表がどの店舗まで使える構成かを、先にお返しします。過去にレジと本部の数字が合わずに調べたことがあれば、そのときどこから手を付けられたかも教えてください。同じ探し方を、そのまま一覧に置き換えられるかをご一緒に確認します。

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執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。