ポスタス(POS+)の売上を全店同じ基準でそろえる|多店舗飲食の本部集計

左にA店は値引き前、B店は値引き後、C店はサービス料込みと、同じ「売上」という項目名でも店舗ごとに中身が違う状態を示し、右に本部側で1つの定義にそろえて全店が横棒グラフで比較できるようになった状態を並べた比較図

【結論】
ポスタス(POS+)で全店の売上は取れていても、本部で横に並べた瞬間に比較にならないことがあります。原因は取得ではなく、店舗ごとに項目の設定や運用がずれていることです。TEAL BIはポスタスの取引データを夜間に自動で取得し、値引き・サービス料・税の持ち方といった差を吸収した共通フォーマットに変換したうえで全店を1つの表にします。POSレジの入れ替えも、店舗側の操作も必要ありません。ポスタスは本番稼働中の連携先です。

【この記事でわかること】
・同じ「売上」という項目名でも、店によって中身が違ってしまう理由
・ポスタスを止めずに、全店を同じ基準で並べる方法
・業態や店舗フォーマットが増えたときに、本部の集計がどう崩れるのか
・稼働開始までの期間と、いまの集計を止めずに始める手順
・料金と、実際に本番稼働している連携先の一覧

同じ「売上」でも、店によって中身が違っていませんか

同じ「売上」を同じ基準で比べる

いまの状態

項目名は同じでも中身が違う

  • 値引き前と値引き後が混在
  • サービス料の扱いが店舗で違う
  • 税の持ち方が業態で違う
TEAL BI

本部の物差しを一つにする

  • 店舗の設定は変えない
  • 取引ごとに共通の扱いへ変換
  • 業態をまたいで全店比較

店舗の運用が間違っていなくても、そのまま横に並べると比較できません。

図1:店舗ごとに異なる売上項目の扱いと、本部側で共通の基準へそろえた状態の対比。

本部で全店の数字を並べたとき、どうも様子のおかしい店が出てくることがあります。売上が妙に高い、原価率だけが低い、客単価が業態の平均から外れている。調べてみると、たいてい集計の誤りではありません。その店だけ、項目の使い方が違っていたのです。

よくあるのは、値引きとサービス料の扱いです。ある店は値引きを引いた後の金額を売上として扱い、別の店は引く前で扱っている。テイクアウトの税率を分けている店と、分けていない店がある。どちらも店舗の運用としては間違っていません。間違っていないまま、本部で足すと合わなくなります。

これは店舗数が増えるほど、業態が増えるほど広がります。新しい業態を立ち上げるたびに、その業態に合った設定が入り、「同じ名前の項目が、店によって違うものを指している」状態になります。本部の集計担当者は、それを毎月ひとつずつ直しています。

1店舗を正しく締める道具と、横に並べる道具は別です

POSレジは、目の前のお客様の会計を正確に、速く終わらせるための道具です。その目的に対しては、ポスタスはよくできています。問題は、本部が見たいものが「1店舗の会計」ではないことです。

本部が見たいのは、値引きもサービス料も税も同じ扱いに直したうえで、全店を横に並べた表です。この「同じ扱いに直す」ところが、POSの守備範囲の外側にあります。1店舗の会計を正確に締めることと、100店舗を同じ定義で並べることは、そもそも別の仕事です。

ポスタスの取引データを、そのまま読みます

TEAL BIは、ポスタスが持っている取引データをそのまま受け取り、共通フォーマットに変換します。POSレジの入れ替えはありません。いまお使いのポスタスをそのまま使い続けていただきます。

受け取るのは、レジの中で出来上がった集計結果ではなく取引データそのものです。ここが重要で、1件ずつの取引が手元にあるからこそ、店舗ごとにばらついた項目の扱いを本部側で揃え直せます。集計済みの数字だけを受け取っていたら、ずれたまま足すしかありません。

店舗側に機器を追加することもありません。レジも、店舗のオペレーションも1つも変わりません。店長やスタッフに新しい操作を覚えていただく必要はなく、増えるのは本部が見る画面1つだけです。

店舗ごとのばらつきは、本部側で吸収します

業態が違っても物差しは同じ

フルサービス

店舗の運用はそのまま

  • 取引データを受け取る
  • 本部の扱いへ読み替える
カフェ

店舗の運用はそのまま

  • 取引データを受け取る
  • 本部の扱いへ読み替える
テイクアウト

店舗の運用はそのまま

  • 取引データを受け取る
  • 本部の扱いへ読み替える

店舗を同じ設定に変えるのではなく、受け取ったあとに本部の共通基準へそろえます。

図2:異なる業態の店舗設定を残したまま、取引データを本部の共通基準へ読み替える考え方。

店舗に「設定を統一してください」とお願いする方法もありますが、多店舗ではまず終わりません。店舗には店舗の事情があり、業態ごとに正しい設定が違うからです。そこで、店舗の設定はそのままにして、本部で読み替えます。

値引きや割引をどう引くか、サービス料をどちらに寄せるか、深夜営業ぶんをどちらの日に付けるか、税をどう持つか——この扱いを全店で1つに決めたうえで集計します。店を横に並べて比較できる状態は、ここまでやって初めて成立します。

結果として、業態が違っても同じ基準で並びます。フルサービスの店と、カフェ業態と、テイクアウト中心の店が、同じ表の中で比較できます。

数字が届くのは、翌日の朝です

そろえた数字が翌朝に届く

閉店まで

ポスタスをいつも通り使う

店舗の設定や操作は変えません

夜間

取引データを取得して変換

店舗ごとの差を本部の共通基準へそろえます

翌朝

前日ぶんを全店表示

見る時刻で変わらない数字を並べます

取得だけでなく、店舗ごとの違いを吸収する変換も夜間に終えます。

図3:ポスタスの通常営業から夜間の取得・変換を経て、翌朝に共通基準の全店表が届く流れ。

取得は夜間に自動で行われます。店舗ごとの設定の違いを吸収する変換も、この夜間の処理の中で終わっています。翌朝の出社時点で表に出ているのは、すでにそろえたあとの数字です。

「前日ぶん」に統一しているのは、見る時刻で数字が変わらないようにするためです。当日の途中経過は、締め処理が済んでいないぶんだけ動きます。店ごとの物差しをそろえる話をしているのに、見た時刻で数字が変わるのでは意味がありません。

締め忘れの日も、その取引を本来の営業日に戻します

店舗ごとの差は、設定だけでなく操作にも出ます。締め忘れ、開局し忘れ、日付をまたぐ営業。どれか1つ起きただけで、その日の表は「1店だけ売上がゼロ」「翌日に2日分」という形で崩れます。設定をどれだけ丁寧に統一しても、ここは残ります。

TEAL BIが基準にしているのは、締め操作の時刻ではなく取引データそのものが持つ営業日です。操作が抜けていても、その取引は本来の営業日に戻って並びます。店に電話して確認する工程が、本部の朝から消えます。

そろえたあとの画面に、何が出るのか

全店が1枚に並ぶ

前日ぶんの売上・客数・客単価が、店舗別に並びます。前年・2年前との対比も同じ画面です。値引きの引き方も税の持ち方も同じ扱いに直したあとの数字なので、業態をまたいでも比較になります。

担当の4〜5店だけが並ぶ

同じ数字を、役職ごとに範囲だけ変えて出します。店長は自分の店、エリアマネージャーは担当の4〜5店。範囲は違っても、定義は1つです。店長が見ている売上と、本部が見ている売上は、同じ計算から出ています。見せ分けで料金は変わりません。

売上・人件費・仕入が、同じ日付で並ぶ

勤怠を連携すると労働時間が同じ画面に乗り、予算値を登録すれば日次の予実と当月の着地見込みが自動で出ます。「本部の数字と店の数字が違う」という話から会議が始まらないのは、どちらも同じ定義で計算された数字だからです。

ポスタス以外のPOSが混ざっていても、同じです

メーカーが違っても基準は一つ

ポスタス(POS+)
ローズシステム
スマレジ
東芝テック
標準化店舗差とメーカー差を吸収
TEAL BI
  • 同じ売上の定義
  • 同じ列で全店比較
  • 本部と店舗で同じ数字

店舗設定の差を吸収する仕組みが、そのままメーカー間の差も吸収します。

図4:ポスタスを含む複数メーカーのデータを標準化し、同じ定義の全店表へまとめる構造。

業態を増やしたり、他社から店舗を引き継いだりした結果、本部の中に複数メーカーのPOSが並んでいる——珍しい話ではありません。店舗ごとの項目のばらつきを吸収する仕組みは、そのままメーカー間の差を吸収する仕組みでもあります。

メーカーが違う場合にやっていることは、店舗ごとの設定の差を吸収するのと同じです。形をそろえてから並べるので、POSを統一しなくても全店が同じ基準で比較できます。スマレジ・ローズシステム・NECモバイルPOS・東芝テックの4メーカーが混在したまま、商品販売明細の分析を1つの画面で見ている企業があります。

メーカーが分かれている場合の考え方は、その数字、店長会議で使えますか:POS混在のままで毎日確定する本部集計にまとめています。

実際に本番稼働している連携先

連携先の一覧は、書こうと思えばいくらでも長くできます。ですのでいま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは「接続対応中」と分けて出します。

区分連携先状況
POSレジ東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+)本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー)本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー接続対応中
仕入インフォマート本番稼働中
メニューPlus(レシピ)接続対応中
勤怠・人事ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR本番稼働中
予約・口コミGoogleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ気象データ(全国・時間帯別)本番稼働中
上記以外ネットワーク未接続の店舗を含むCSVアップロードで統合対象に含められます

どれくらい作業が減るのか

直営12店舗での実測値

106時間削減した集計作業
20万円人件費換算
12店舗実測した直営店

集めた数字の形をそろえ直す時間を、数字を読んで手を打つ仕事へ移せます。

図5:店ごとに違う数字の形をそろえ直していた作業が、どれだけ減ったか。

直営12店舗の飲食企業では、店舗と本部のエクセル作業が1か月で106時間・金額にして20万円ぶん減りました。その作業の多くは、数字を集めることではなく、集めたあとに形をそろえ直すことに使われていた時間です。

106時間は、担当者1人の月間労働時間のおよそ3分の2にあたります。形をそろえ直す作業がなくなると、その人は数字を作る側から、数字を読んで手を打つ側に回れます。減った時間そのものより、こちらのほうが効きます。

よくある誤解

よくある誤解と実際のところ

店舗の設定を統一すれば済む話ではありませんか

業態ごとに必要な設定は残し、受け取ったあとに本部側で読み替えます

つなぐには、POSの提供元に開発を頼む必要があるのでは

ポスタスには本番稼働中の接続方式があり、新規開発は不要です

いまの集計を止めてからでないと、切り替えられません

いまの集計と並行で動かし、数字を確かめてから切り替えられます

図6:店舗設定の統一、接続開発、現在の集計停止についての誤解と本文の答え。

「店舗の設定を統一すれば済む話ではありませんか」

統一できるなら、それが一番です。ただ多店舗では、業態ごとに正しい設定が違います。カフェ業態に合う設定を、フルサービスの店に当てはめると現場が回らなくなります。統一を進めるほど、どこかの店の運用に無理が出ます。

そして統一は一度やって終わりではありません。新しい店を出すたび、新しい業態を始めるたびに、また揃え直すことになります。店舗の設定はそのままにして本部で読み替えるほうが、結果的に速く、崩れません。

「つなぐには、POSの提供元に開発を頼む必要があるのでは」

ポスタスについてはすでに本番稼働している接続方式があるため、新規の開発は不要です。接続実績のあるメーカーであれば、約1週間で稼働を開始できます。

時間がかかるのは開発ではなく、店舗マスタのほうです。店舗コードや店名の書き方が本部と店舗でずれていると、その突き合わせに時間がかかります。ネットワーク環境も同じで、開発が理由で延びることはほとんどありません。

「いまの集計を止めてからでないと、切り替えられません」

止めずに始められます。いまの集計と並行で動かして、両方の数字が合うことを確かめてから切り替える——ほとんどの企業がこの順で進めています。

むしろ、合わせる過程のほうに意味があります。数字がズレた項目は、その店の運用が本部の想定と違っているところです。切り替える前に、どの店の何がずれているのかが表になって出てきます。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。この記事で挙げた日次の店舗別集計も、売上・人件費の予実も、すべてこの中に含まれます。詳細は料金ページをご覧ください。

導入の流れは、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。ポスタスのように既に接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

過去のぶんもさかのぼって取り込めます。追加費用はいただいていません。そろえ直した同じ定義で過去も並ぶので、導入した時点から前年の同じ月と比べられます。

画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. ポスタスを止める必要はありますか?

ありません。現在お使いのポスタスはそのままで、出力される取引データの側を共通フォーマットに変換します。店舗のオペレーションも変わりません。

Q. 店舗ごとに値引きや税の設定が違っていますが、揃えてから始める必要がありますか?

揃えていただく必要はありません。店舗の設定はそのままで、本部側で扱いを1つに決めて集計します。むしろ導入の過程で、どの店の何がずれているのかが分かります。

Q. 業態が複数あります。同じ表で比較できますか?

できます。業態ごとに異なる項目の持ち方を吸収したうえで集計するため、フルサービス・カフェ・テイクアウト中心の店を同じ基準で並べられます。業態ごとに分けて見ることもできます。

Q. 使い始められるまでの期間はどれくらいですか?

ポスタスは既に接続実績があるため新規の開発は不要で、約1週間で稼働を開始できます。期間を左右するのは主に、店舗側のネットワーク環境と店舗マスタの整備状況です。

Q. 過去のデータも取り込めますか?

取り込めます。費用は変わりません。過去のぶんも同じ定義にそろえ直して並べるので、前年対比を導入の初月から見られます。

Q. 勤怠や仕入も、同じ画面に出せますか?

出せます。勤怠を連携すれば労働時間が、仕入を連携すれば納品金額が、それぞれ同じ日付の行に乗ります。予算値を登録しておけば、日次の予実と当月の着地見込みまで同じ表に出ます。

Q. ネットワークが来ていない店舗はどうなりますか?

CSVをアップロードして同じ表に含めます。自動取得の店舗と同じ形の行として並ぶので、その店だけ別の集計になることはありません。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。ポスタスのPOSデータも本番稼働中の連携先として毎日流れています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

いま何店舗でポスタスをお使いか、勤怠システムは何をお使いか——その2つをお聞かせいただければ、稼働開始までの流れと期間の目安をお伝えします。

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執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役)
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。