まかないと廃棄は、どこにも記録されていません|レジの販売数を、材料が減った記録として使う

まかないと廃棄は、どこにも記録されていません|レジの販売数を、材料が減った記録として使う

【結論】レジのデータは売上の記録ですが、同時に「材料がどれだけ減ったか」の記録でもあります。何が何食出たかが分かれば、レシピを掛けて使ったはずの量が出るからです。ただしそこには穴があります。まかない・試食・廃棄・サービスで出したものは、レジを通っていないので記録に残りません。この記事は、レジの販売数を材料の記録として使うと何ができて、どこが残るのかを書いたものです。

【この記事でわかること】
・日商は毎日見ているのに、商品別の出数は月1回になっている理由
・レジの販売数が、材料の減り方の記録でもあるということ
・毎日取り込むと、気づける単位がどう変わるか
・レジを通らずに出ていくものが、そのまま「説明できない差」になること
・現場を疑う前に、記録の穴を先に埋めるという順番

日商は毎日見ているのに、何が何食出たかは月に1回です

多くの会社で、日商・客数・客単価は毎日そろっています。朝いちばんに前日の数字が回ってきて、会議でも使われています。ところが「昨日、何が何食出たか」になると、途端に頻度が落ちます。

月に1回、レジから出力して並べる。あるいは、季節の切り替えのときだけ見る。そういう運用が普通です。理由も分かります。商品別の明細は行数が多く、店舗ぶん集めると人手では扱いきれないからです。

そして、この頻度の差がそのまま議論の質になって出ます。売上は日単位で語れるのに、中身は月単位でしか語れない。原価の話が「今月は原価率が高かった」で止まるのは、多くの場合ここが原因です。

レジのデータは、材料が減った記録でもあります

同じレジのデータでも、読み方が2つあります

売上の記録として読む

日商・客数・客単価まで

  • 毎日そろっている
  • 中身は月に1回しか見ない
  • 原価の話が「率」で止まる
材料の記録として読む

何が何食出たかを、毎日

  • レシピを掛ければ使用量が出る
  • 減った材料を日単位で追える
  • 「どの商品で」まで話が進む

レジは、売った記録であると同時に、厨房から出ていった記録でもあります。

図1:同じ販売データを、売上としてではなく材料の減り方として読む。

考え方は単純です。ハンバーグ定食が30食出たなら、そのレシピぶんの合いびき肉と付け合わせが厨房から出ています。販売数にレシピの使用量を掛ければ、使ったはずの量が出ます(仕込み品の分解や歩留まりの扱いは別の記事に書きました)。

ここで大事なのは、その起点になる販売数は、すでに毎日レジの中にあるということです。新しく入力していただくものではありません。取り込んで日別に並べておけば、その先の計算はすべてそこから伸びます。

毎日取り込むと、気づける単位が変わります

商品別の販売数を毎日持っていると、変化に気づくまでの時間が変わります。月に1回の集計では、何かが起きてから最大で1か月気づけません。気づいたときには、すでに終わった月の話になっています。

実際に効くのは、たとえばこういう場面です。特定の商品が先週から急に出ていない。逆に、原価の高い商品ばかりが出ている。セットの構成が変わってから、単品の出数が落ちた。どれも月合計では平均されて消えてしまい、日別に並べて初めて形が見えます。

取り込みは毎晩の自動実行で、翌朝には前日ぶんが並んでいます。店舗にも本部にも、集計のための作業はありません。

レジを通らずに出ていくものは、記録に残りません

厨房から出たのに、どこにも残らないもの

レジを通った販売
まかない・試食
廃棄・こぼれ
サービスで出したもの
記録に残るのは、上の1つだけ残りは数字として存在しない
説明できない差になる
  • 現場に聞いても答えが出ない
  • 証明も反論もできない
  • 毎月「気をつけます」で終わる

レジに残っていないものは、TEAL BIにも残りません。ここは仕組みでは埋まりません。

図2:レジを通ったものだけが記録に残り、残りはそのまま説明できない差になる。

ここは正直に書かせてください。レジを通っていないものは、TEAL BIにも入りません。まかないを何食作ったか、何を捨てたか、常連の方に何をサービスしたか——どれも厨房では起きているのに、数字としてはどこにも存在しません。

そして、これが原価率の差として毎月出てきます。計算上あるはずの在庫と実際の在庫が合わないとき、その差の一部は確実にここから来ています。ところが記録が無いので、どれだけがここから来ているのかを誰も言えません。

現場を疑う前に、記録の穴を先に埋めます

差が出たときに最初に起きるのは、たいてい現場への確認です。ロスが多いのではないか、量が多いのではないか、と。ですが記録が無い以上、店長は証明も反論もできません。だから「気をつけます」以外に返しようがなく、翌月も同じ会話になります。

順番を変えたほうが早く進みます。まず、レジを通っていない出庫を、レジで通す運用にすることです。まかない・試食・サービス・廃棄それぞれに商品を作り、売価0円で通していただければ、数としては記録に残ります。売上には影響しません。

これは製品の設定ではなく、レジ側の運用の話です。ただ、ここを埋めた会社とそうでない会社では、そのあとの数字の使い方がまったく変わります。差の中身が分かれて初めて、どこに手を打つかの議論ができるようになります。

ここまでは、今日から動いています

この記事に書いた範囲——商品別の販売数を毎日取り込んで、店舗別・日別に並べるところまでは、本番で動いていて、今日からお使いいただけます。接続実績のあるPOSレジであれば、約1週間で稼働します。

一方、その販売数にレシピを掛けて材料の使用量を出すところから先は、まだ本番で動いていません。取り込みと突き合わせの検証は終わっていますが、毎日の更新として回すのはこれからです。できていないことを、できているようには書きません。

実際に本番稼働している連携先

この記事は「何が動いていて、何がこれからか」を主題にしているので、連携先も同じ基準で出します。いま毎日データが流れているものだけを「本番稼働中」とし、そうでないものは分けて書きます。

区分 連携先 状況
POSレジ 東芝テック/スマレジ/USENレジ/NECモバイルPOS/ポスタス(POS+) 本番稼働中
ローズシステム/寺岡精工/funfo/Chompy(モバイルオーダー) 本番稼働中
ステアリテール(FoodFrontia Pro)/グローリー/リブオン(宅配Evolution)/ダイニー 接続対応中
仕入 インフォマート 本番稼働中
メニューPlus(レシピ) 接続対応中
勤怠・人事 ジョブカン/King of Time/タッチオンタイム/SmartHR 本番稼働中
予約・口コミ Googleビジネスプロフィール/TableCheck/Instagram
※Instagramは一部の企業様で稼働中です
本番稼働中
外部データ 気象データ(全国・時間帯別) 本番稼働中
上記以外 ネットワーク未接続の店舗を含む CSVアップロードで統合対象に含められます

この記事が扱っているのは、いちばん上の「POSレジ」の行です。複数メーカーが混ざっていても、商品別の販売数は同じ形にそろえて取り込みます。下段の「メニューPlus(レシピ)」が接続対応中で、販売数にレシピを掛ける部分はそちらにあたるため、この行についてだけは稼働の時期をお約束していません。

よくある誤解

「商品別の販売数は、レジの管理画面でも見られます」

見られます。1店舗であれば、それで足りることも多いと思います。効いてくるのは、店舗数が増えたときと、期間をまたぐときです。レジの画面は自店の、しかも限られた期間しか出せないことが多く、全店を同じ条件で並べたり、前年同月と比べたりするには結局どこかに集める作業が発生します。メーカーが混ざっていれば、なおさらです。加えて、レジの画面には仕入も人件費も並びません。

「まかないをレジで通すのは、現場が嫌がると思います」

いきなり全部は難しいと思います。効果が大きいのは、量の多いものだけです。まかないで頻繁に使う主菜が数種類あるはずなので、まずそれだけ通していただくと、差の説明が付く割合が一気に変わります。細かいものまで追いかける必要はありません。むしろ「全部やる」と決めると続かないので、続く範囲で始めていただくほうが結果的に残ります。

「うちはレシピを登録していないので、この話は先の段階ですね」

レシピが要るのは、販売数に掛けて材料の量を出す部分だけです。その手前——商品別の販売数を毎日そろえるところは、レシピが無くても今日から動きます。そして順番としても、販売数が毎日そろっていない状態でレシピを整えても、掛ける相手がありません。先にこちらを動かしておくほうが、あとの段階に入りやすくなります。

料金と、導入までの流れ

TEAL BIの料金は1店舗あたり月額8,000円(税抜)だけです。初期費用・導入費用・連携費用はいただいていません。商品別の販売数を毎日取り込んで店舗別・日別に並べるところ、そして日次の売上・人件費・仕入は、この料金の範囲で今日からお使いいただけます。オプション料金という考え方をしていません。

導入は、いまお使いのPOSレジと勤怠システムの構成をお聞きするところから始まります。すでに接続実績のあるものであれば、やり取りは短く済み、約1週間で稼働を開始できます。掲載していないものが混ざっている場合も多くは連携可能で、その際はメーカー様との打ち合わせのうえ新規の連携開発を行います。期間の目安は1か月程度です。いずれの場合も月額8,000円のままで、連携のための費用はいただきません。

いまお使いいただける範囲の画面と機能をひととおりご覧になりたい場合は、サービス紹介資料(全10ページ)をご請求ください。フォームのご入力後、その場でダウンロードいただけます。

よくあるご質問

Q. 商品の登録名が店舗ごとに違うのですが、そのままでも取り込めますか?

取り込めます。登録された値をこちらで勝手に寄せることはしません。ただし別の商品として並ぶので、同じものとして数えたい場合は、どれとどれが同じかの対応をご相談させてください。寄せるかどうかを決めるのはお客様側で、こちらが判断して統合することはありません。

Q. まかないを0円で通すと、客数に入ってしまいませんか?

会計として通せば伝票としては立ちます。客数に含めたくない場合は、レジ側で客数に数えない扱いにできるかがまず確認点になります。難しい場合は、まかない用の商品分類を分けておいていただければ、集計のときに切り分けて見る方法をご相談できます。運用に入る前に、いまのレジで何ができるかを一緒に確認させてください。

Q. 廃棄の記録は、どこかに入力する画面がありますか?

TEAL BIに廃棄を入力していただく画面は用意していません。この記事でレジを通す方法をご案内しているのは、そのためです。すでに廃棄を別の仕組みで記録されている場合は、CSVでの取り込みをご相談ください。

Q. 過去の販売データも取り込めますか?

取り込めます。レジ側にデータが残っている範囲であれば、さかのぼって取り込み、前年同月との比較にお使いいただけます。メーカーによって保存期間が違うので、まず何年ぶん残っているかを確認するところから始めます。

Q. 複数メーカーのレジが混在していても、同じ表に並びますか?

並びます。メーカーごとに項目名も持ち方も違うので、取り込むときに同じ形へ変換しています。複数の飲食企業で本番稼働しています。ネットワークにつながっていない店舗も、CSVでの取り込みで同じ表に入れられます。

Q. 深夜まで営業している店舗の販売数は、どちらの日に入りますか?

レジ締めをまたいでも、伝票が持っている取引の日付で数えます。閉店が翌日の2時になる店舗でも、その営業日のぶんとして入ります。締め処理を何時に行うかは店舗ごとに違って構いません。営業日の切り替え時刻を会社の基準に合わせて設定できるので、日をまたぐ業態でも全店を同じ基準で並べられます。

Q. この記事のどこまでが、いま使えますか?

商品別の販売数を毎日取り込んで店舗別・日別に並べるところまでは、今日からお使いいただけます。その販売数にレシピを掛けて材料の使用量を出す部分は、まだ本番で動いていません。時期もお約束できる段階にないので、ご関心のある企業様には先行して検証にご参加いただく形でご相談させてください。

TEAL BIについて

TEAL BIは、(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けの経営データ統合ダッシュボードです。複数メーカーのPOSレジ・勤怠・仕入の各データを自動連携し、統一フォーマットに変換したうえで、店舗別・日次でFL比率・確定原価率・人件費の着地見込みを可視化します。複数の飲食企業で本番稼働しています。グループ代表自身が20年以上にわたって飲食店経営の現場に携わってきた経験から立ち上げた事業で、現場の経営者が本当に必要とする数字が実装されているのが特徴です。

お問い合わせ / 資料請求(全10ページ)

あわせてお読みください:
「棚卸をするまで在庫が分からない」を終わらせる:レシピ・仕入・販売を1本の線でつなぐ
「セットが売れています」の先が出てこない:商品別の順位を、セットの中身まで開いて見る
棚卸をした翌日から、また分からなくなります:実棚と実棚のあいだを、計算で埋める

執筆:斉田 教継((株)ラックバッググループ / (株)ティールテクノロジーズ 代表取締役) 20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。(株)ラックバッググループが提供する飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」の事業を主導する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。

投稿者プロフィール

斉田 教継株式会社ラックバッググループ 株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
斉田 教継(さいだ のりつぐ)
株式会社ティールテクノロジーズ 代表取締役
株式会社ラックバッググループ 代表取締役
20年以上にわたり飲食企業の経営に携わる。現在は飲食企業向けデータ統合ダッシュボード「TEAL BI」を運営する。一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム データ標準化分科会長として、業界共通POS標準フォーマット基盤の構築を主導。